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YouTubeで日本のシティ・ポップに脚光

竹内まりやがデビューした1978年当時、まだJ-popという言葉は存在していなかった。 その代わりにニュー・ミュージックという言薬で演歌、歌謡曲と差別化されていた。その ニュー・ミュージックの中でも特に洋楽の影響と都会的なフレーヴァーがある楽曲群は、シティ・ポップとかシティ・ミュージックと呼ばれるようになった。

洋楽の当時のジャンルで言うなら AOR~アダルト・オリエンテッド・ロック(大人向けのロック)、BC~ブラック・コンテンポラリーに近いかも知れない。

21世紀に入って YouTubeから日本の1970~80年代初期のシティ・ミュージックが注目され、ブレイクした。それは世界的なAOR(現在ではヨット・ロックとも言う)の再ブームがあり、その流れで日本のAORとも言えるシティ・ポップが注目されるようになった。

海外で注目された「プラスティック・ラヴ」

竹内まりやで言えば1984年のアルバム『VARIETY』に収録されていた「プラスティック・ラヴ」が世界的にブレイクした。 YouTube だけでも総再生回数は1億回を超えたという。

16ビートをドラム・マシーンで鳴らしながら作られた「プラスティック・ラヴ」は数ある竹内まりやの名曲の中では、そう有名では 無かったかも知れない。けれども海外の音楽 ファンの耳には、素敵なヨット・ロックと受け止められたのだろう。

ちなみにプロデューサーの山下達郎はこの曲を気に入っていて、自らのライブ・アルバム『JOY』(1989年) でカヴァーしている。ロックの8ビートでなく、ソウル的な16ビートというのが、海外で 評価された要因のひとつだろう。

中森明菜に提供した「駅」

竹内まりやは職業作曲家としてのヒットも多い。「リンダ」、「元気を出して」、「けんかをやめて」、「駅」などが『Expressions』 に収められている。他人に提供したセルフカヴァーでもう一度楽しめる。それも彼女の魅力のひとつだ。

トラブったというほどでは無いが、歌手の中森明菜に提供した「駅」は、そのアレンジに山下達郎が不満を持ったとされる。そこで山下達郎がプロデュース/アレンジを行なってレコーディングされた竹内まりや版「駅」は、彼女の大ヒット曲のひとつとなった。

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岩田由記夫
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