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日本にはワゴンをアシとして使う概念がなかった

一方ワゴンとしてはどうかだが、そもそもエアロデッキがデビューした当時は、一部輸入車ワゴンを買っていた人などを除きステーションワゴンの概念などなく、一般的にはワゴンといえば商用車のイメージしかなかった。ワゴンを日常のアシとして使う、というのは1989年に初代スバルレガシィが登場して以降の話だ。

当時少数存在したワゴン派にとっては、背が低いため荷室高が低く荷室もそれほど大きくないエアロデッキは、ワゴンとしてのユーティリティ面では中途半端だったのだろう。

ルーフに食い込みガルウイング状に開くリアゲートもセールスポイントのひとつ

デザインのよさが理解されず

それからデザインそのものの評価。美しいと書いておきながら心苦しいが、筆者は現役時代のエアロデッキを見てカッコいいとも美しいともまったく思わなかった。いや、逆にヘンテコリンなデザインにしか映らなかった。これは筆者の友人なども同様で、好き嫌いの好みがわかれ、どちらかといえば否定派のほうが多かった気がする。それが時間を経過して、10年後くらいたってから実車を見て、「美しい」となったのだ。デザインには正解がないなか、これは見る目がなかったんだろうとしか言えない。

そのエアロデッキもカタカナ職業の方や、デリバリー系でオシャレさを強調したい場合には重宝されていた。

リアエンドをスパッと切り落としているのはワンダーシビック譲りのデザイン手法

ホンダのイメージを爆上げ

チャレンジングだったエアロデッキは一代限りで消滅してしまったが、欧州ではアコードワゴンをエアロデッキという車名で販売していた。

当時のホンダはプレリュードの大ヒットなどもありオシャレなイメージが定着していた。売れたセダンと悲運のエアロデッキという好対照の結果に終わったが、アコード&エアロデッキの存在により、ホンダのオシャレなイメージは爆上がりし、さらに知的なイメージが加わったのは間違いない。

欧州で販売されていた固定ヘッドライトモデルを1987年から日本導入してCAとして販売したが人気は出ず

そのアコードは2024年3月から最新モデルが日本でも販売されている。初代モデルから数えて11代目となる。11代続いている日本車は少数派となるが、アコードは日本で買えるモデルはタイヤから輸入。車格もレジェンドクラスに大型化され、ジャストサイズだった3代目のイメージはまったくない。e:HEVを搭載する出来のいいサルーンという評価だが、影が薄すぎるのが悲しい。ホンダのビッグネームとしてはシビックが高らかに復活しているので、その復活の時を待ちたい。

最新の11代目アコードは流麗なデザインが魅力のハイブリッドサルーンだが、日本で使うにはいかんせん大きすぎる
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【ホンダアコード2.0Si主要諸元】全長4535×全幅169...
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市原 信幸
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