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シボレーアストロ風のデザインを採用

初代bBを開発するにあたっての開発テーマは以下の2点。

(1)ひと目でわかる存在感のあるトールボックススタイル
(2)若者のさまざまな使い勝手をサポートすることができる広く快適な空間

 そのため車名を体現するスクエア感を強調したデザインを採用。四角くすることで室内スペースも確保できるということで一挙両得というわけだ。

ボディサイズはまったく違うが、初代bBのデザインはアストラの影響を多大に受けている

 デザインは日本でも大人気だったシボレーアストロを彷彿とさせた。デビュー当時から『ミニアストロ』と呼ばれていたように、フロントマスクなどもちょっとワルなイメージも盛り込まれている。ストリート系の若者など、生真面目なデザインよりもちょっと悪さを感じさせるほうがウケがいいのは時代に関係ない不文律だ。同時期にファンカーゴが販売されていたが、若者がどっちを選ぶ? となればbBとなるのは必然だった。

 室内スペースについては、むやみに広い空間ではなく、若者がいろいろな遊びに使ったりくつろぐのに必要十分なスペースを提供。全高を1640mmとすることで室内の頭上空間に余裕が生まれ、スペック以上の広々感が実現できる。これは現代のスーパーハイトワゴン軽自動車人気に通じるものだ。

室内は必要十分の広さで、頭上空間の余裕がサイズ以上の広々感をもたらした

アメリカ向けに開発された日本車はことごとく失敗

若者をターゲットとするにあたり参考としたのがアメリカ。日本車はアメリカよりも欧州、特にドイツ志向でいろいろなクルマが登場していたが、若者はアメリカの文化、ファッションからの影響は大きい。そこでトヨタは、アメリカの若者がバンなどを自分好みに自由にカスタマイズして楽しんでいるのに着想。

真横から見てもボクシー!!

日本車にもいろいろあり、アメリカをターゲットとしたモデルも開発された。しかし、往々にしてアメリカ向けの日本車は販売面で失敗。成功したのは初代USアコードワゴンくらいだろう。そんななか、初代bBは空前のヒットモデルとなった。

仰天の東京オートサロン2000

しかし、トヨタの考えるコンセプトは理解されなければ意味がない。これまでもアメリカンテイスト、アメリカの文化を盛り込んだクルマはあったが、マニア受けこそすれど、一般大衆にまで影響力を及ぼすほどのモデルはなかった。

そこでトヨタが着目したのがチューニングカー、ドレスアップカーの祭典の『東京オートサロン』。トヨタはそれまでも東京オートサロンにブースを出してきたが、広いブースを確保してbB特設コーナーを作った。以来、トヨタは現在に至るまで東京オートサロンを新型車公開の場として重要視している。そういう意味では、きっかけは初代bBだったと言える。

自動車雑誌『ベストカー2000年12月26日号』の誌面
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市原 信幸
市原 信幸

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