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貴重なコンパクトワゴンも追加

バージョンRが追加された2004年に、全長を300mm延長したワゴンボディのコルトプラスがデビュー。派生モデルとしてコルトをベースとしたコンパクトワゴンを登場させたのだ。この頃はすでにワゴンブームは去っていたが、貴重なコンパクトワゴンとして安定した人気を誇った。価格的には安いクルマだったが、当時としては珍しく全グレードに電動テールゲートが標準装備されていた。コルトと同じ扱いやすさながら、ラゲッジが広いということでファミリー層からも支持された。

コルトの全長を300mm延長してワゴン的に仕上げたコルトプラス

その一方でスポーツ好きのために、コルトプラスにも1.5Lターボを搭載するスポーツモデルが設定されていたが、バージョンRとは名乗らずただのラリーアートとされていた。デビュー時はNAモデルと同じエクステリアデザインだったが、2005年にバージョンRと同じエクステリアに変更された。

リアデザインは秀逸。全グレードに電動テールゲートを標準装備

無給油で1000kmチャレンジ

三菱はいろいろイベントなどで自らの魅力をアピールするケースが多いが、コルトプラスでは『長野~札幌 コルトプラス無給油1000kmチャレンジ』が敢行された。ドライバーは、ダカールラリーで2連覇の実績を持つ社員ドライバーの増岡浩氏。クルマは燃費に厳しい4WDで敢えてチャレンジ。スタート前にフルタンクの45Lを給油したコルトプラス4WDは、3日間、1100km超をドライブし、1.5Lのガソリンを残してフィニッシュ。その間の燃費は25.2km/Lという強烈な燃費をマークした。

このチャレンジは増岡氏ゆえ実現できた燃費データだが、広報車両などで乗る機会は多かった経験から、コルト、コルトプラスともおおむね良好だった。MIVECは伊達でなく、このあたりは技術の三菱と言ったところだろう。

増岡氏は1100kmをガソリン45Lをフルに使わずに走破

オープンは欧州のみで販売

三菱は2006年のジュネーブショー(スイス)でコルトのオープンモデルであるCZ2カブリオレを世界初公開。このモデルは2006年に欧州でコルトCZCという車名で販売を開始。オープン化することに定評のあるピニンファリーナの工場で生産された。パジェロイオソレントもそうだが、三菱はホンダと並び、ピニンファリーナと関係が深い。

このコルトCZCは、電度メタルトップを装備したオープンモデルで日本での販売も期待されたが、結局販売されず。三菱では数の作れるクルマではない、欧州からの輸送費を考えると高額になってしまうため日本で需要が見込めない、という理由を挙げていた。

美しいオープンは結局日本では販売されず

あの手この手を尽くした

コルとは2002年にデビューして2013年まで販売された。その間にはマイチェンでブーレイ顔をやめてジェットファイターグリル顔(ランエボX譲り)などの改良を施すなど頻繁に手を入れた。

前述のコルトプラス、バージョンRのほかにも100万円を切るグレードを設定したり、全日本ラリーをはじめとする競技ユースに合わせてノーマルモデルに5速MTを搭載した競技ベース車を発売するなどあの手この手で販売増強に努めた。三菱が想定していたほど売れなかったかもしれないが、存在感は小さくない。

5MTの競技ベース車の発売でモータースポーツでも人気
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欧州で新型コルトを販売...
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市原 信幸
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