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手作りなめたけは「シャッキリ感」が別格

トロ~ンとした味わいは、ごはんの友としても、酒の肴としても一級品。超ヘビーユーザーもいらっしゃるようで、主産地の長野県では「マヨネーズのような容器に入ったボトル入りなめたけ」もあるほどの人気者です。

血圧高めのオイラですが、瓶詰めのなめたけは昔から大好物です。しかし、年齢を重ねるとともに味の濃さが気になり、目下は瓶詰めふうのなめたけを薄味で手作りしています。 はっきり申し上げると、手作りのなめたけは瓶詰めでは味わえないシャッキリ感があり、別物です。さらにおにぎりの具材にしてもおいしい優れもの。

おそらくは、加熱している時間が決定的に違うのではないかと推察しております。手作りの場合、煮る時間はせいぜい5分ですから……。 味つけもお好みで自在に変えられます。長期の保存を目的としなければ、極端な話、「えのきたけを、だしで炊いただけのなめたけ」のような超薄味でも問題ないのです。

オイラは、人々が冬の鍋を食べ飽きた時期こそが、えのきたけの季節と勝手に思っております。つまりは、2月中旬の雨水の頃を、現代のえのきたけの「旬」ととらえているのです。理由を以下に記しました。

1)えのきたけは、きのこトップの消費量。多くが菌床栽培によるものである
2)菌床栽培とは、オガクズ粉などの培地に菌を植えつける栽培法
3)その菌床を室内のポット型容器で栽培し、通年で出荷している
4)とはいえ、えのきたけの最需要期は秋から冬。理由は、鍋の季節だから
5)生産量、出荷量がもっとも多いのは長野県産で、例年1月~2月が最大とされる
6)いっぽう、東京中央卸売市場での取扱量は最需要期中、2月がもっとも少ない
7)出荷量が多いにもかかわらず、市場需要が減ると市場を経ない流通量が増える
8)結果、2月はえのきたけがスーパーなどで一番お得に出回る時期と感じている

参考文献/東京都中央卸売市場市場取引情報(月報)令和3年1~12月取扱実績、長野県園芸畜産課「長野県の菌床栽培きのこのページ」

…つづくおつまみレシピ「ふき味噌」を家のキッチンで「おいしく作る」超簡単な方法では、春の酒肴、ふきのとうの簡単レシピを紹介しています。

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文・写真/沢田 浩

さわだ・ひろし。書籍編集者。1955年、福岡県に生まれる。学習院大学卒業後、1979年に主婦と生活社入社。「週刊女性」時代の十数年間は、皇室担当として従事し、皇太子妃候補としての小和田雅子さんの存在をスクープ。1999年より、セブン&アイ出版に転じ、生活情報誌「saita」編集長を経て、書籍編集者に。2018年2月、常務執行役員パブリッシング事業部長を最後に退社。

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おとなの週末Web編集部
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