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「二代目げんこつ屋」としての復活

「げんこつ屋」が幕を閉じて3年がたったある日、私たちは「一本の道」で匡仁さんとお会いしました。

長男の関川匡仁(まさひと)さん

私たちは、匡仁さんに「お父さんが作り上げたこのラーメンを、伝え続けることが私たちの使命でもあります。ラー博で、げんこつ屋を復活しませんか?」と、投げかけたのでした。

しかし匡仁さんからは、「“げんこつ屋”という看板でやるのは、まだ早い……」との理由で断られました。

私たちはあきらめずに、その後も幾度となく匡仁さんを訪ねていきます。そんな、ある日、匡仁さんから「親父の志を伝えたい。けれど、“げんこつ屋”の看板はまだ重いので、“二代目げんこつ屋”としてなら出店を考えたい……」との返事をいただきました。

こうして2011年4月、「二代目げんこつ屋」として、創業者・関川さんの味がラー博に復活を果たしました。その「二代目げんこつ屋」は、2019年2月にラー博を卒業し、現在は東京・阿佐ヶ谷(杉並区)と成城(世田谷区)の2店舗を運営しています。

急逝した父親の思いを込め、長男がラー博に復活させた「二代目げんこつ屋」=2011年

ラー博30周年企画では「げんこつ屋」として復活

新横浜ラーメン博物館30周年企画「あの銘店をもう一度」で出店していただいたときは、「二代目げんこつ屋」ではなく、もとの「げんこつ屋」として復活していただきました。名付けた店名は「名代らーめん げんこつ屋1994」。

匡仁さんからも「“げんこつ屋”の看板として恥ずかしくない味を提供します。親父がなくなってからの16年、親父に追いつこう、追い越そうとかいろいろ考えましたが、肩ひじ張らずに、シンプルに“親父の志と味を伝える”という、思いをもってのぞみたい」と、うれしい言葉をいただきました。

ラー博30周年企画での長男・関川匡仁さんと館長・岩岡

画期的なラーメンの味と店を切り開きながらも、波瀾万丈の人生を歩いてきた関川さん父子。

そんななかでも創業者・関川清さんが命を吹き込んで作ったラーメンは、二代目の長男・匡仁さんによって連綿と受け継がれています。

理屈ではなく、そこには「思い」と「愛」があふれています。

二代目げんこつ屋 阿佐ヶ谷南口店

[住所]東京都杉並区阿佐谷南1-35-2

『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』2025年2月20日発売

『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』(講談社ビーシー/講談社、1760円)

『新横浜ラーメン博物館』の情報

住所:横浜市港北区新横浜2-14-21
交通:JR東海道新幹線・JR横浜線の新横浜駅から徒歩5分、横浜市営地下鉄の新横浜駅8番出口から徒歩1分
営業時間:平日11時~21時、土日祝10時半~21時
休館日:年末年始(12月31日、1月1日)
入場料:当日入場券大人450円、小・中・高校生・シニア(65歳以上)100円、小学生未満は無料
※障害者手帳をお持ちの方と、同数の付き添いの方は無料
入場フリーパス「6ヶ月パス」500円、「年間パス」800円

新横浜ラーメン博物館:https://www.raumen.co.jp/

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おとなの週末Web編集部
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