ベースはヴィッツ
WiLL Viは1998年にデビューしたトヨタの主力コンパクトカーのヴィッツのプラットフォームを使い、独自のデザインが与えられていた。ボディサイズは全長3760×全幅1660×全高1575mm。ヴィッツが全長3660×全幅1660×全高1500㎜だから、ちょっと長くモッコリさせた感じ。
エンジンはヴィッツで登場した新世代4気筒ベーシックエンジンで、1,3L、直DOHCは88ps/12.5㎏mのスペック。エンジン、足回りを含めたシャシーもヴィッツと同じだから、性能面では何の不満もない。
クリフカットが超個性的
WiLL Viは個性的なエクステリアデザインがすべてと言っていい。エクステリアデザインがとにかく個性的。最大の特徴はリアのクリフカットだ。リアのルーフエンドよりピラーの付け根がセンター寄りのクリフカットは真横から見るとその異様さがよくわかる。
このクリフカットは、古くはシトロエンアミ(1961~1978年)、初代マツダキャロル(1962~1970年)で有名。2000年代に入ってルノーがアヴァンタイムを皮切りにクリフカットっぽいCピラーがデザイントレンドとなってメガーヌにも採用したが、WiLL Viの影響か?(←そんなわけないか)。
標準ルーフのほかにオープンエアが楽しめるキャンバストップをラインナップしていた。とにかく目立つことにかけては、当時の日本車で群を抜いていた。
各所に目を引くデザインを採用
クリフカットに目が行きがちだが、実はそのほかにもいろいろ凝ったデザインが取り入れられていた。これも真横から見ると顕著なのだが、不自然なまでに張り出した独特な形状の前後フェンダーもそのひとつ。クリフカットの影響によるファニーな形のリアドアもそう。
そしてボンネット、ボディサイド、リアのトランクにあしらわれた3本のプレスラインにより、今で言うところのギア感を出すことにも成功している。
当時はWiLL Viは『かぼちゃの馬車』と言われていた。クリフカット、モッコリしたフロント、ボディサイドのプレスライン、ドッシリ感のあるフェンダーからそのように見えたのだが、特にルーフが開くキャンバストップがあったことも大きな要因だろう。確かにカワイイ雰囲気ではあったが、奇をてらいすぎた感はある。