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装備面でも高級車

小さな高級車のプログレは装備面でも充実していた。まずは装備ではないがセルシオ譲りの5層コートの塗装。大衆車クラスで3層、当時のクラウンで4層コートだったことを考えるとかなり贅沢と言えるだろう。それだけ特別だったということだ。

そのほか装備では、レーダークルーズコントロールやカーナビと連動して最適なギアを選択するNAVI AI-SHIFTといった運転支援装置、日本車初搭載となったカーテンエアバッグなども魅力的だった。

本木目パネルだけでなく運転支援装置、安全装備も充実

静粛性の高さにビックリ

では、プログレの走りはどうだったのか? まず最大の魅力と言えば静粛性。トヨタは初代セルシオで世界最高レベルの静粛性を実現し、NVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)の低減のノウハウをふんだんに持っていて、それをプログレにも投入。

室内で音楽を聴いている時に、速度によってオーディオのボリュームを上げ下げしたという経験をお持ちの人も多いだろうが、プログレに関しては外部の音がほとんど入ってこないため、その必要がない。これは筆者も高速道路走行などで実際に経験してビックリ。

スピードという点ではまったく不満はないが、発進時は少々癖があった。街中でのストレスのない走りを目指したがゆえ、発進時にアクセルを踏むと立ち上がりが早いため、キビキビしすぎて高級車らしくない挙動になっていた。ただクリープをうまく使って走ればまったく問題なし。

遮音材、吸音材などをふんだんに使って室内に入り込む音をカット

乗り心地のよさは特筆

クルマの足回りはガチガチに硬いのが好きという若者にとっては柔らかすぎると感じるセッティングだったが、ロングドライブなどではその心地よさに浸れた。後に“Intelligent Rapidity(知的な速さ)”を意味する「iRバージョン」が追加された。これはプログレのスポーツグレードで、コイルスプリング、ダンパー、パワステが専用チューンが施されていて、ノーマルモデルよりも乗り味も硬めだったがガチガチではなかった。

あとは燃費。2.5L、3Lで燃費はそれほど大きな差はなく、当時自動車雑誌『ベストカー』での燃費テストを担当した時に街乗りで7~9km/L、高速で12~14km/L。ハイブリッドカー全盛の現代のクルマからすれば見劣りするが、当時の2.5~3Lクラスのセダンとしては合格点だった。

柔らかい脚のセッティングだったが、クラウンよりは引引き締まっていた
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プログレは販売面で苦戦
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この記事のライター

市原 信幸
市原 信幸

市原 信幸

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