世界初の画期的な装備も用意
装備面ではマークIIはトヨタの重要モデルだけに、至れり尽くせりのトヨタマジックが炸裂。その最たるものが最上級の2800グランデに用意されていたスピークモニターで、半ドア、キーの抜き忘れ、シートベルト未着用、ライト消し忘れ、燃料補給、パーキングブレーキ戻し忘れの6項目を世界初の合成した女性の声で警告する世界初の装備。今のクルマはアレコレうるさいほど喋るが、当時はあまりの凄さに度肝を抜かれた。
あと、2800グランデはオーディオにもこだわっていて、ホームオーディオでも注目されていていた好みの音質に微調整可能なグラフィックイコライザー(グライコ)付きのHi-Fiコンポが用意されていた。
クレスタの引き立て役
新生クレスタを加えたマークII 3兄弟は、伸びやかでスタイリッシュ、トヨタらしいユーザーが喜ぶ装備を満載しながらも、価格は102万~214万5000円と魅力的だった。上級小型車として人気モデルとなったのは言うまでもないが、精悍な顔つきでクレスタが一気に大ブレークしたのに対し本命であるマークIIはクレスタの引き立て役となってしまった。販売店の規模、マークIIというビッグネームゆえの代替えユーザーの多さから一定の販売はマークしていたが、特に若者の間での3兄弟の人気はクレスタ>マークII>チェイサーだった。
2代続けて”オヤジセダン”となってしまえば、マークIIのスポーティなイメージは台無しとなってしまうが、それを救ったのが1982年8月に登場したマイチェンモデルだった。
フルモデルチェンジ並みのマイチェン敢行
1982年8月のマイチェンは内外装の大幅変更、新エンジンの追加など大掛かりなもので、車両型式はX50系からX60系へとなった。マイチェンで車両型式が変わるのは珍しく、フルモデルチェンジに匹敵することを意味している。
エクステリアではスラントノーズ(傾斜した)の精悍なフロントマスクが与えられた。その形状からイーグルマスク(九州ではVマスク)と呼ばれ、マイチェン前の地味なイメージを払拭して若々しくてスポーティに大変貌。内側からイエローフォグ、ハイ/ロービーム、ポジション、ウィンカーの順に並ぶ異形ヘッドライトを採用していた。
さらにシンプルながら質感の高さが強調される新デザインのリアコンビランプに変更。