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創業者妻の妹夫婦が、繁盛店を引き継ぐ

店は繁盛し、多くの常連客で賑わうも、1979年、福吉さんは病気になり、店を閉めざるを得なくなりました。そこで白羽の矢が立ったのが、妻・千恵子さんの妹・榊美恵子さんのご主人である榊順伸さんでした。順伸さんはラーメンの経験はなく、突然の話に戸惑いましたが、美恵子さんとともに独学でラーメン修業を始めます。

開店は1975年。博多に近い百道で20年やってきたが、路上駐車と交通渋滞に苦悩した

順伸さんは会社が終わると自宅の湯船を釜に、タオルを麺に見立てて特訓をしたそうです。麺上げをする右腕に、湿布を貼っていない日はなかったほどの特訓だったそうです。「ふくちゃん」は、繁盛しているお店でした。「だから自分に代わって“味が落ちた”とは言われたくなかった」―。そんな順伸さん夫婦の思いはカタチとなり、数年後には“順伸さん夫婦のお客さま”がついてきました。

おいしいラーメンを作るため郊外移転を決意

「ふくちゃんラーメン」はその後、ますます繁盛し、常に1~2時間待ちの長蛇の列。行列が長くなるにつれて、路上駐車による近隣からのクレームは増え、順伸さんにとってストレスへと変わっていきました。「こんな状態じゃとても、おいしいラーメンが作れない」―。悩んだ末に順伸さん夫婦が出した結論は「移転」でした。

当時の店があった百道は人通りも多く好立地。20年間で築き上げた常連さんもいます。にもかかわらず移転を決断したのは、「ラーメンに集中したい」という順伸さん夫婦のラーメンにかける思いでした。移店先は博多から車で30分ほどかかる早良区田隈の閑静な住宅街でした。「ふくちゃん」に行く目的がないと、なかなか行かない場所です。しかし、二代目夫婦はこの場所で新たなスタートを切りました。

百道の店時代の二代目店主の榊順伸さん。車で30分ほど離れた郊外移転を決意
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世代交代。父の定位置で麺を上げる重圧
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おとなの週末Web編集部
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