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全国のラーメンの名店が出店する「新横浜ラーメン博物館」(ラー博)は、年間80万人以上もの客が訪れる“ラーメンの聖地”です。横浜市の新横浜駅前にオープン後、2024年3月に30年の節目を迎えましたが、これまでに招致したラーメン店は50店以上、延べ入館者数は3000万人を超えます。岩岡洋志館長が、それら名店の「ラーメンと人が織りなす物語」を紡ぎました。それが、新刊『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』(講談社ビーシー/講談社)です。収録の中から、ドイツ・フランクフルトで予約が取れないラーメン店「MUKU(無垢)」を紹介します。

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ラー博初のヨーロッパ“逆輸入ラーメン”

ラー博では2013年より、海外で独自の進化を遂げたラーメン店を紹介する“逆輸入ラーメン”の企画をスタートしました。その当時、アジア、北米に次いで、ヨーロッパでもラーメンが注目を浴び、イギリス、フランス、イタリア、ベルギーなど各地でラーメン店が開業し始めていました。私たちはヨーロッパの9カ国ほどを食べ歩きましたが、“日本にはない独自性のあるラーメン”に出会うことはまずありませんでした。

ところが各国の食に精通している方々から、「そこのラーメンを食べるために、わざわざフランクフルトまで足を運ぶお店がある」―という話を聞きました。そのお店こそ「MUKU(無垢)」だったのです。

私たちがドイツ・フランクフルトに本店を構えるレストラン「MUKU」に初めてうかがったのは、2012年の秋。このときはパリから、ベルリン、デュッセルドルフ、フランクフルトと食べ歩き、最後に「無垢」を訪ねました。すると、その店は欧州の素材を使った前菜に、日本酒やワインも楽しめて、最後にラーメンを提供するという驚きの店。醸し出す空間の雰囲気、スタッフの温かさ、そして厳選された十数種の豚と鶏の各部位から旨みを抽出したラーメンのスープは、その一滴に複雑な旨みが凝縮されていました。味のクオリティから独自性まで、すべにおいて申し分ないお店でした。

【「MUKU(無垢)」過去のラー博出店期間】
・ラー博初出店:2014年6月25日~2020年4月3日
・「あの銘店をもう一度」出店:2023年12月12日~2024年1月10日

ラー博で逆輸入オープンしたドイツ・フランクフルト発の「無垢ツヴァイテ」=2014年
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渡独した食品商社の営業マンが独立開業
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おとなの週末Web編集部
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