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ランエボ史上初の300万円超え

ロードカーのGSRと競技ベース車のRSというモデルラインナップは従来どおり。GSRは装備の充実した仕様に対し、RSはパーツ類の交換を前提としているため装備類は非常に簡素。ランエボVではGSRとRS(注文生産)を合わせて6000台の限定販売となっていたが、実際には増産され、7500程度が販売されたと言われている。

価格はGSRが324万8000円、RSが259万8000円と値上げ。GSRの価格がランエボ史上初めて300万円を超えて当時人気のあったひとクラス上のスポーツセダンのトヨタチェイサーツアラーV(5MT・322万7000円)並みとなったことで話題になったが、ストイックなまでの改良ポイントを考えれば安いくらいだった。

GSR(右)とRS(左)でリアコンビ形状が違う

エンジンの改良がマニアック

エンジンはランエボIから、もっと言えばギャランVR-4から継承する2L、直4DOHCターボの4G63で変わらず。ランエボIVですでに当時のメーカー自主規制値の280psをマークしていたためピークパワーは280psで変更はなかったが、最大トルクは38.0kgmとランエボIVから2.0kgmアップ。これはスカイラインGT-R(R33)より0.5kgm大きく、インプレッサを2.0kgm凌駕する進化を見せた。

4G63は280psのままだたが最大トルクは36.0kgmから38.0kgmにアップして加速性能が向上

ツインスクロールターボチャージャーのノズル面積拡大、ビストンの形状見直しと軽量化、スラストメタルの3分割化、ラジエター&エンジンオイルクーラーの大型化、ラジエータスプレーの新設、フロントバンパーの開口面積拡大およびエアダクトの追加による水温/油温の冷却性能向上などといった改良も盛り込まれていた。

市販車としては不要なラジエタースプレー装着はWRCで勝つためのアイテム。このあたりがファンとしてはうれしい

全幅1770mmを最大限に活用した足回り

注目はエンジンよりも足回り。フロント:ストラット、リア:マルチリンクとサスペンション形式はランエボIVと同じながら、フロントはロアアームの延長、リアはサスペンション取り付けポイントの変更によりトレツドがフロント40mm、リア35mmも拡大されている(17インチタイヤ仕様)。全幅1770mmを最大限に生かした結果だ。

また、フロントサスはリバウンドストロークを20mm増大させ、リアサスもトー剛性、キャンバー剛性ともにアップ。さらに口―ルセンター高を約30mm低くしてタイヤの接地性を向上させている。マニアックな改良ポイントを振り返ると、ランエボシリーズは単なる市販モデルではなくコンペティションであることを実感する。

ワイドトレッド化によりコーナリング時のスタビリティがアップ
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タイヤ&ブレーキも大幅性能アップ
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市原 信幸
市原 信幸

市原 信幸

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