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ある意味で理想の一台

ランエボシリーズすべてについて言えることだが、ベースが4ドアセダンということもあり、コンペティションではあるが室内は充分広く、トランクもあり実用性が高いというのは大きな魅力だ。2Lクラスで世界最高峰の動力性能、運動性能を持ちながらファミリーユースとして充分使える万能性こそランエボシリーズの魅力だろう。少々足回りは硬めだが、我慢できないレベルではないため、元クルマ好きで家族を持った人が購入するケースも少なくなかった。ノーマルのままでも充分にサーキットを楽しめて、実用性も高いという理想のクルマだった。

インテリアはコンペティションカーながら使いやすさと視認性を重視したいオーソドックスなデザイン

現代ではトヨタのGRヤリス、GRカローラ、レクサスLBX MORIZO RRが手頃なサイズの4WDターボとして販売されてランエボ、インプレッサほどではないにしろ細かく改良を施して進化させている。かつての三菱、スバルがランエボ、インプレッサで実践していることを現代でトヨタやっているのは凄いことだが、三菱にも帰ってきてほしいと願っているクルマ好きは多い。

フロントは左右ともバケットシートだがリクライニングもするので快適性は損なわれていない

【三菱ランサーエボリューションV GSR主要諸元】
全長:4350mm
全幅:1770mm
全高:1415mm
ホイールベース:2510mm
車両重量:1360kg
エンジン:1997cc、直4DOHCターボ
最高出力:280ps/6500rpm
最大トルク:38.0kgm/3000rpm
価格:324万8000円

ランエボVはエボシリーズの初物尽くし

【豆知識】
三菱は1977年にWRCのワークス活動を休止したが1981年に復帰。マシンはグループ4のランサーEX2000ターボだったが、グループBマシンを相手に苦戦。そこで三菱はグループB規定のスタリオン4WDラリーを開発。1983年の東京モーターショーでプロトタイプを公開し、テスト参戦も終えていたが、重大事故が多発したグループBは1986年限りで終焉となり、スタリオン4WDラリーは闘う場を失った。WRCには参戦できなかったが、86、87年の香港~北京ラリーに参戦し、86年は総合2位を獲得。悲運のスタリオン4WDラリーだが、そのメカニズムはギャランVR-4、ランエボというグループA時代のマシンに生かされている。

スタリオン4WDラリーは幻のグループBマシン

市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。

写真/MITSUBISHI、ベストカー

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市原 信幸
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