京中の熟成肉のステーキの実力はいかに
「ステーキも用意していますので、よろしければ」と加藤社長の思いがけないお言葉に甘えて、大ぶりサイコロステーキも取材・撮影することに。
「30分以上かかりますけど、大丈夫ですか?」と調理を担当される加藤会長の言葉に、私は喜んでうなずいた。まさか調理を見せていただけるとは。
「そんなに難しくはないですよ。ご家庭でも美味しくステーキを焼くことはできます」と加藤社長に焼き方を教わった。
調理を始める1時間前に冷蔵庫から出して、肉を常温にする。下味は塩のみで、肉の重さの1.1%の塩をふりかける。米油をひいて熱したフライパンで、焼きにくい側面から15秒ずつ焼いていく。そして表面を90秒、裏面を90秒焼いたら、アルミホイルに包んで余熱で4分間寝かせる。2回目の焼きは、表面90秒、裏面90秒焼いて、アルミホイルに包んで3分間寝かす。仕上げに全面を5秒ずつ焼けば、肉はミディアムレアに焼き上がる。さらに3回目の焼きと寝かしを行えば、ミディアムの状態になる。
お店ではアルミホイルではなく、コンベクションオーブンを使って熱を加えるが、手順はほぼ同じで、京中式熟成牛肉の大ぶりサイコロステーキは、手間暇をかけて、焼き上げられる。ハンバーグやステーキの注文が3日前の予約でなければならない理由に納得した。
「さて、どうかな」と焼けたばかりのステーキに包丁を入れると、淡い桜のような断面が顔を見せた。その美しさに気をとられたが、肉の表面は瑞々しく艶々なのに肉汁や脂がまったく出てこない。
「熟成させることで、旨味の水分の分子が筋肉につくため、ドリップが出ません。だから旨味を逃さずに味わえるんですよ」と笑顔の加藤社長。
この美しさを写真に収めることができるか、プレッシャーを感じながらいつもより多めにシャッターを切った。






