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沖縄を代表するビールブランドのオリオンビールは、沖縄の素材にこだわったクラフトビール「しまめぐり」シリーズを2025年6月から公式 EC サイト限定で販売を開始した。超少量生産ということもあり、出せばたちまちソールドアウトするこのビール。これまでのシリーズの紹介と共に、同社はなぜクラフトビール製造に力を入れるのか、開発と広報担当者に話を聞きつつ考察した。

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1957年に創立、1960年夏には「瓶詰め生ビール」を発売

オリオンビールは1957(昭和32)年、それまで大きな製造業がなかった沖縄で戦後復興を目的に創立(当時の社名は沖縄ビール)。多くの地域企業や関係者に支えられて、翌年には名護市東江に工場を構え、沖縄の風土に合うビールを求め試行錯誤を繰り返したという。

ビールの名称は一般公募され、1958年1月、2500超もの応募の中からいちばん多かった「オリオン」に決定。1959年6月には社名もオリオンビールに変更した。

満を持して最初のビールが全島一斉に発売されたのは1959年5月。1960年7月には、樽詰め同様の美味しさを誇る、熱殺菌をしていない「瓶詰め生ビール」が登場し、「新鮮さ」が評判となったという。

メイン商品の「オリオン ザ・ドラフト」

2025年9月、沖縄県内の製造業として初の東京証券取引所プライム上場

1972(昭和47)年の沖縄本土復帰後も、創業者の具志堅宗精(ぐしけん・そうせい)の理念「報恩感謝」のもと、県民のためにという意識で、ホテルを開業するなどさまざまな発展を続けた同社。2025(令和7)年9月25日には、沖縄県内の製造業として、初の東京証券取引所プライム上場を果たし、大きな話題になった。

2001(平成13)年にはアサヒビールとの提携に合意し、2004年に発泡酒の「オリオン麦職人」、2005年には沖縄県産米を使用した第3のビール「オリオンサザンスター」、2013年にノンアルコールタイプの「オリオンクリアフリー」を発売するなど、時代や多様化するニーズに対応した商品開発を推し進めている。

沖縄県素材の使用を進める

2019年には初のチューハイ「WATTA」、同年12月にはオリオン初のプレミアムクラフトビール「オリオン 75BEER」を発売。持続可能な社会を目指した取り組みにも力を入れていて、2021年には伊江島(いえじま)で栽培した大麦を完全循環型で活用した「オリオン ザ・ドラフト 初仕込」を発売した。

2022年、産学連携する琉球大学で、県産ホップの収穫が成功し、沖縄の自然から発見した酵母を使用した「オリオン ザ・プレミアム」を販売開始。さらには同社初の「Southern Cross Winery」を製造し、2024年には沖縄県産パッションフルーツを、2025年には沖縄県産シークワーサーを使ったワインをリリース。さらに2025年9月には「沖縄香るCRAFT GIN&SODA」を発売するなど、沖縄県産素材を使用する動きをより加速させている。

「しまめぐり」のパッケージ
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沖縄の魅力が詰まったクラフトビール「しまめぐり」シリーズ
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この記事のライター

市村 幸妙
市村 幸妙

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