蕎麦屋の愉しみは蕎麦だけにあらず。気の利いたつまみ=蕎麦前でゆるりと一杯やるものまた口福の時間だ。蕎麦はもちろん、日本酒や蕎麦前にもこだわる店を厳選して紹介。たまには長居も粋なものなのだ
画像ギャラリー代々木上原 山せみ(最寄駅:代々木上原駅)
『山せみ』の、その時々で厳選した産地の粉を二八で打ち上げる蕎麦は、のど越しのよさが抜群だ。つゆには毎朝店で削る3種類の鰹節を使用。ズズッと手繰った後に鼻腔を抜ける豊かな香りと、舌に染み渡るような奥行きのある旨みがたまらない。唎酒師の資格を持つ店長が、全国各地の酒蔵から選んだ日本酒は、季節ごとに約20種類を置く。
【おすすめの蕎麦前】
・刺身盛り合わせ(手前) 1400円
・蕎麦クレープ野菜包み(奥) 750円
築地から仕入れる新鮮な魚介の刺身をはじめ、揚げ物や焼き物、野菜を使った一品料理、さらには味噌や豆板醤で味付けしたピリ辛の豚挽き肉と、たっぷりの野菜、揚げ蕎麦を包んでタコス風にいただく「蕎麦クレープ」などなど、つまみの品揃えがとにかく豊富だ。 もちろん蕎麦も充実。
案山子(最寄駅:白金高輪駅)
店主の山田さんが8年続けた自店を辞めて妻の美求さんと挑んだのが「酒とアテを味わい、〆の蕎麦に至るまでの時をゆったり過ごせる隠れ家」=新生『案山子』だ。美求さんが作る肴は築地で仕入れた鮮魚や厳選した肉を使う和食。健人さんによる蕎麦は石臼で微粉に挽いた2種の蕎麦粉をブレンドし、二八で打った爽やかなのど越し。客の目の前で蕎麦打ちの実演をすることもあり、その所作を眺めつつ杯を傾けるのは何とも贅沢だ。
【おすすめの蕎麦前】
・大山鶏と千寿葱の七味焼き(奥) 1404円
・牡蠣のごま油風味(手前左) 918円
・自家製いか塩辛(手前右) 648円
「蕎麦屋で飲むのは粋な日本文化。だからこそ大人が愉しめるとっておきの空間でありたい」。そう語る店主の山田さんが8年続けた自店を辞めて妻の美求さんと挑んだのが「酒とアテを味わい、〆の蕎麦に至るまでの時をゆったり過ごせる隠れ家」=新生「案山子」だ。
蕎麦切り 正音(最寄駅:下北沢駅)
『蕎麦切り 正音』の蕎麦は北海道や茨城産を中心とした抜き実を石臼で挽いてから、あえてふるいにかけずに打つことで、野趣あふれる香りと、時折皮が歯に当たる変化に富んだ食感に仕上げている。また酒肴は、蕎麦味噌や板わさなどの定番のほか、刺身や焼き物など築地から仕入れる旬の魚介を使用した一品料理にも力を入れる。料理に合わせるよう、日本酒はおだやかな味わいの銘柄を厳選。
【おすすめの蕎麦前】
・〆鯖(手前) 950円
・穴子白焼き(奥) 1200円
老舗で約10年間腕を磨いてから2年前に「蕎麦切り 正音」を開業した。蕎麦は北海道や茨城産を中心とした抜き実を石臼で挽いてから、あえてふるいにかけずに打つことで、野趣あふれる香りと、時折皮が歯に当たる変化に富んだ食感に仕上げている。
菊谷 大塚別亭(最寄駅:大塚駅)
ミシュランガイドにも掲載される巣鴨の名店『菊谷』が大塚に昨年新店を開いた。メニューは5000円のコースのみで、この日は会津坂下から届く馬刺、鹿肉のコンフィやロースト、天ぷら、そばがきなど、充実の内容。趣向を凝らした一品料理で酒を充分愉しんだ後に出されるのが、渾身の蕎麦3種。
【おすすめの蕎麦前】
コース料理の内容はその時々で異なる。
(手前から)
・鯖の燻製、ぬか漬け、チーズのかえし漬けの3点盛り
・蕎麦味噌、わさび漬け、わさび味噌
・鹿肉のコンフィ、ロースト、燻製の3種盛り
・風味や口どけの異なる2種の唎き海苔など
ミシュランガイドにも掲載される巣鴨の名店『菊谷』が大塚に新店を開いた。メニューは5000円のコースのみで、この日は会津坂下から届く馬刺、鹿肉のコンフィやロースト、天ぷら、そばがきなど、充実の内容。趣向を凝らした一品料理で酒を充分愉しんだ後に出されるのが、渾身の蕎麦3種。
浅草 じゅうろく(最寄駅:浅草駅)
『浅草 じゅうろく』は甘みを重視した「白」と、ナッツを思わせる香りの「黒」の2種類の蕎麦を打つ。また旬の食材を使用したつまみも豊富で、今の時期に特におすすめなのが「鴨鍋」だ。埼玉産の生の合鴨を、蕎麦汁に鴨ガラからとるダシを加えた深い旨みのつゆで食す。具材は他にも根つきのセリ、肉団子、丹波シメジ、そばがきなど盛りだくさんに入っている。
【おすすめの蕎麦前】
じゅうろく鴨鍋 3780円
(写真は2人前、前日までに要予約)
若き蕎麦職人である伊勢谷留衣さんが目指すのは、透明感があり、プリッと弾けるようなコシを持つ、見た目にも端正な蕎麦。粗挽き粉を使用しながらものど越しよく、しなやかな質感だ。
手打ち蕎麦 雷鳥(最寄駅:石神井公園駅)
『手打ち蕎麦 雷鳥』のせいろは北海道産のキタワセ種を中心に粗めの粉と微粉をブレンドし、弾けるようなコシと軽快なのど越しを持つ。これに素朴な甘みたっぷりの田舎蕎麦と季節の変わり蕎麦をあわせた3種類を用意。つゆのベースになるダシは店で削る枕崎産の鰹節のみで、温めることで香りがさらに花開く温蕎麦もおすすめだ。つまみはどれも丁寧に仕込まれた逸品ぞろい。
【おすすめの蕎麦前】
・アボカド漬け(奥) 486円
・鴨ロースト(手前) 864円
オープンしたばかりの新店。せいろは北海道産のキタワセ種を中心に粗めの粉と微粉をブレンドし、弾けるようなコシと軽快なのど越しを持つ。
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