湯煎するだけの簡単調理
パックを開けると、中身はこんな感じ。真空パックされたうなぎ2切れとタレ、保冷剤が入っている。欲を言えば、粉山椒を入れてほしかった。
使わない人もいるだろうが、私は使う派。食べている途中で味変するのがイイんだよなぁ。ひょっとしたら、冷凍すると味や香りが落ちるから、あえて入れていなかったのかもしれないが。
真空パックを取り出して、うなぎの焼き加減をチェックしてみる。身に少し焦げ目があり、見るからに香ばしそう。焦げるギリギリの、この焼き加減は思いっきり私好み。
『新玉亭』で食べた、「中丼」の口の中で広がる炭火焼ならではの香りがフラッシュバックして一刻も早く食べたくなった。
調理法はいたって簡単。レトルト食品と同様に、鍋に水を入れて沸騰したら、その中にイン! 細かい時間は書かれていなかったが、だいたい4~5分くらい。
湯煎している間に丼もお湯で温めておく。実はこの作業、かなり重要。丼そのものが熱いとご飯が冷めにくくなるのだ。このひと手間を加えるか否かで味は大きく変わるのでぜひ試してみてほしい。
で、熱々の丼にご飯をよそって、タレをかける。前にも書いた通り、『新玉亭』のタレはやや辛口なので控えめにした。
5分経ったところで、お湯から上げてパックを開封する。その瞬間、うなぎの香ばしい香りがキッチンに広がる。もう、たまらない!
今回は待ちきれなかったので(笑)、湯煎したうなぎをそのままご飯にのせたが、クッキングシートを敷いたフライパンで身と皮の両面を軽く焼くと、かなり店の味に近くなる。
ちなみにスーパーで買ったうなぎもこの方法で温めるのがオススメだ。その際、少量の調理酒を回しかけてから蓋をして蒸し焼きにすると、より美味しく食べられる。
店の味は再現できたのか? いざ、実食!
『新玉亭』の「上丼」、完成! 丼の一面を覆ったうなぎは圧巻そのもの。ただ、温めてご飯の上にのせただけなのに、何なんだ、この映えまくりのビジュアルは!
お吸い物と香の物も用意して、いざ実食! まずはうなぎにかぶりついてみる。うん、ふわふわで口の中でとろけるような食感。湯煎したので皮のパリパリ感はないものの、とても柔らかくて食べやすい。比較する対象にはならないが、スーパーで売られているうなぎとは雲泥の差だ。
唯一、気になったのは味の濃さ。タレが身に染み込んでいるのか、店で食べるよりもかなり辛かった。大げさに言うと、うなぎの佃煮レベルくらい辛い。そのおかげでご飯が進みまくり、おかわりしたくらい。タレも控えめにして正解だった。
ということは、2切れでも十分ということか。小さい子供がいる家庭なら、夫婦で2切れずつと子供は1切れずつで大丈夫だろう。計3パック、金額にして4350円。店へ食べに行くよりはかなりお得だ。
ひとりで4切れ食べた私の満足感はハンパない。ものすごく満たされた。名古屋でも連日猛暑が続いている。うなぎからもらったパワーで乗り越えられそうな気がする。
取材・撮影/永谷正樹