SNSで最新情報をチェック

icon-gallery

京都北部に位置する福知山市。古くは明智光秀ゆかりの城下町として知られ、明治以降は京阪神と北近畿を結ぶ鉄道の要として栄えた街です。京都市内から山陰本線で2時間弱、車で90分の距離。森の京都としておいしいものがいっぱいです!

景観の美しさで知られる福知山城は天正7(1579)年に丹波を平定した明智光秀が山城を改築したお城。郷土資料館を併設する天守閣からは由良川と町を見渡す絶景が楽しめ、創建当時のままの強固な石垣群も見ごたえがあります。

地元のシンボル福知山城。登れる天守閣からの景色や、400年以上を耐えた天守台から本丸にかけての野面積みが最大の見どころだ。

栗が主役の焼き菓子専門店「足立音衛門」の限定スイーツ

福知山城の城下町には周辺の豊かな食材を使った飲食店、スイーツのお店が数多くあります。なかでも高級品で知られるのが丹波栗。栗を使用した和洋の栗菓子はお土産としても人気です。城のお膝元に本店を構える『足立音衛門』もそのひとつ。

『足立音衛門』本店の建物群は京都府指定文化財。由良川堤防沿いに建ち、高低差を利用した和洋折衷モダンな佇まいが美しい。

百貨店進出やお取り寄せグルメで全国区の有名焼き菓子店ですが、福知山市内のフランス料理店がその前身。デザートの焼き菓子が好評で独立店舗を構えたのがはじまりです。

本店ショップに並ぶ栗やフルーツを使ったパウンドケーキは10種類以上。ほかにも栗ペーストのどら焼きや和三盆ドーナッツ、ジェラートなどがあり目移り必至。
厳選した材料を使用し「お母さんが子供たちに作るような、素材に向き合った安心安全なお菓子づくり」がモットー。

2005年から販売する看板商品〈栗のテリーヌ〉は、地元の高級丹波栗を使った〈栗のテリーヌ 天〉を頂点に、丹波産や国産、ヨーロッパ・南米などから探してきた世界の栗それぞれの良さを引き出し、パウンドケーキに仕立てています。どこから切っても断面には栗がぎっしり。ブランデーが香る生地は栗の風味を損なわないほどよい甘さで、発酵バターや和三盆といった上質な素材が栗の自然な味わいを引き立てます。

〈栗のテリーヌ 天〉(11,880円・税込)は、大粒の丹波栗とその隙間を埋めるヨーロッパ栗をそれぞれ200gずつ使用した栗ファン垂涎の一品だ。

本店がある840坪の敷地にはショップとして使用する主屋のほか、洋館や撞球場など大正時代に建てられた9棟が並びます。これまでは事務所や倉庫として使っていたため外からの見学のみでしたが、近くの小学校跡を利用した「里山ファクトリー」に拠点を移したことで敷地内の洋館が「お城カフェ」として開放されました。本店で販売する焼き菓子やシュークリームを、コーヒーや紅茶とともにゆっくり味わえます。

本店の建築群は由良川堤防の築堤に携わった「松村組」の創業家自邸として建てられた。堤防の安全性を示すためこの場所を選んだと言われている。
2022年7月にオープンした洋館の「お城カフェ」。中は和洋折衷な造りで、店舗販売のスイーツのほか、コーヒー・紅茶が楽しめる。

本店と里山ファクトリーのみで店頭販売する〈集栗夢(シュークリーム)〉は、一粒の栗の下に国産の美玖里を使った栗ペーストとクリームが詰まった人気ナンバーワン商品。福知山に来たら逃せない、ここでしか味わえない極上スイーツです。

福知山市内の2店舗限定の〈集栗夢(シュークリーム)〉1個410円(税込)。サクッとしたシュー生地にはカスタードを混ぜたクリーム、栗ペーストが詰まっている。
「栗大好きな社長が国内外を探し歩いて見つけてきた栗を丁寧にお菓子に仕立てています。ぜひ世界の栗の個性とおいしさを味わってください。」と店長の田原康暁さん。

1300年の歴史を持つ、丹波地方を代表する花のお寺へ

福知山駅から2駅の山陰本線「石原駅」、路線バスでもいける場所に関西随一の花のお寺があります。丹波あじさい寺や華觀音寺の名でも親しまれる『觀音寺』は養老4(720)年の開創で、最盛期には25もの寺坊があった古刹です。

觀音寺は関西花の寺二十五カ所の第一番霊場。オンシーズンの境内は100種1万株のあじさいが境内や山肌を埋め尽くす。写真提供:觀音寺

昨年は長年安置されていた木造不動明王立像が平安前期の日本最古級と判明。重要文化財に登録されたことでも話題になりました。「以前の調査では江戸時代の作と言われていたのでびっくりしました。これもめぐり合わせですね」と、住職の小籔実英さんが穏やかな笑顔で語ります。

重要文化財に指定された「木造不動明王立像」は通常非公開だが、本堂前にその化身「石造・炎髪不動明王立像」が置かれている。
願いごとを書いた「だるまみくじ」が納められた本堂。格子にぴったり納まることから自然にこのような姿になったそう。

6月頃から咲き始めるあじさいは、山門前から境内、お寺を囲む山肌まで埋め尽くし、満開の頃には花浄土の佇まい。境内で暮らす天然記念物の小国鶏(しょうこっけい)の姿が見られるのもこちらならではの楽しみです。あじさいの中で遊ぶ様子は伊藤若冲の「紫陽花双鶏図」を現実に見るよう。季節の花々と清涼な空気、おだやかな顔のお地蔵様に出会える癒しのお寺です。

寺務所の前庭で遊ぶ小国鶏。闘鶏の一種だが人慣れしており、凛々しく美しい姿が眼福。
次のページ
福知山のソウルフード〈ゴム焼きそば〉&〈薄焼き〉に出合う!...
icon-next-galary
1 2icon-next
関連記事
あなたにおすすめ

この記事のライター

おとなの週末Web編集部
おとなの週末Web編集部

おとなの週末Web編集部

最新刊

全店実食調査でお届けするグルメ情報誌「おとなの週末」。3月14日発売の4月号では、「おにぎりとおべん…