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4日間かけて7時間・574カットの試合シーンを撮影

――試合のシーンに関して横浜さん、窪田さんのエピソードを教えていただけますか?
「4日間かけて7時間、574カットで試合シーンを撮影しました(制作調べ)。プロボクシングだと一番長い試合でも12ラウンド36分(インターバルを除く)ですが、実際の試合とはまた違う過酷さですね。日を跨ぐ撮影な上、上半身を見せる撮影なので、選手役の二人は変化が無いよう、この4日間、体形を維持し続けたのは本当に尊敬しています」

黒木と中西の試合の1シーン。二人の体は本物のボクサーといっても過言ではない仕上がりに。レフェリーを務めるのは福地勇治さん

――4日間も!
「4日かけて試合を一つの映像にしなければならないということで、出来上がったものに違和感があってはいけないですし、すごく緊張感がありました。でも、カメラが回っている間は本当の試合と同じような盛り上がりがあって…。試合のシーンは20分少々ありますが、映像を見た時、すごく良い作品、良い場面に参加させていただいたなと思いました」

――試写を拝見しましたが、選手二人がラウンド終了のゴングが聞こえず、レフェリーとセコンドの武田さんたちに止められる場面が印象的です
「実はあのシーン、本当のボクシングの試合みたいにゴングが聞こえていなかったんです。観客役のエキストラの皆さんの応援も凄くて、本当に会場全体が熱狂して、止めに入るのが遅れたほどでした」

――その試合シーンを盛り上げるボクシング関係者の方たちも豪華ですね
「黒木選手のトレーナー役にはエディ・タウンゼント賞を受賞された、今やボクシング映画の指導では欠かすことのできない松浦慎一郎さんも出られていましたし、あとはレフェリーの福地勇治さん、リングアナの冨樫光明さんと、実際のボクシングに携わっている方たちの存在感も大きかったです。ボクシングを知っている方がご覧になると、細かな部分でも色んな発見があるのではないでしょうか」

撮影の様子を振り返る武田さん

――観客の声援も印象的でした
「会場での観戦にはエキストラの方たちが4日間で約1600人参加いただいたようです(制作調べ)。試合会場も熱狂的なのですが、世界戦を応援する居酒屋さんのシーンも、また凄く熱くて。味のあるお店に味のある俳優さんたちが集って、応援の熱が画面から伝わってくる位、凄くて。闘っているボクサーはもちろん、応援している人たちの熱もこの映画を熱くする大きな力になっていたと思います」

――武田さんにとって映画『春に散る』の魅力を教えてください
「今に命をかけて、命を削って試合をするボクサー。それに命をかけて体現したボクサー役の俳優たちが魅力です。熱い試合、ドラマ、是非、映画館で命を懸けた熱を感じて下さい。(作中に練習場所として、坂が登場するのですが)自分がボクシングをしていた時に何度もロードワークで走った坂のことを想い出し、ジーンときました」

武田祐一(たけだ・ゆういち)
兵庫県出身。1985年5月27日生まれ。俳優・ボクシングトレーナー。
プロボクサーとしては2014年にファイティング原田ジムよりデビュー。映画『東京ウィンドオーケストラ』のほか、ボクシング作品では『ケイコ目を澄ませて』『アンダードッグ』に出演した。俳優業とともに作品のボクシング指導も行っており、日本テレビ系のドラマ『だが、情熱はある』で指導を担当した。

文・写真/おとなの週末Web編集部、劇中写真/(C)2023映画『春に散る』製作委員会

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おとなの週末Web編集部 山本
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