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初代デミオはBU-Xの市販版!!

初代デミオは暗黒時代の真っ只中といえる1996年に登場。マツダは1995年の東京モーターショーでBU-Xというマルチパーパスビークルのコンセプトカーを出展していたが、初代デミオはそのBU-Xの市販版だ。

BU-Xはコンセプトカーと言っても非現実的なモデルではなく、そのまま市販されてもおかしくない現実味を帯びていた。今で言うところのクロスオーバーカーで、ハイトワゴンとRV(SUV的なクルマ)をミックスしたようなコンセプトだった。

ハイトワゴンとRVテイストをミックスさせたクロスオーバーカーのBU-X

BU-Xに張り付き!!

1995年と言えば筆者は編集者になって2年目の時。で、東京モーターショー1995だ。学生時代から東京モーターショーには何度か行っていたが、仕事として初めて迎えた東京モーターショーということで気合入りまくり。

バブルは弾けていたとはいえ、ショーはコンセプトカーが百花繚乱の賑わいを見せ、クルマの祭典と呼ぶにふさわしい盛り上がりを見せていたのだ。

東京モーターショー1995でマツダは新世代ロータリースポーツのRX-01を公開

東京モーターショー1995では、トヨタMR-J(MR-Sのベース)、ホンダSSM(S2000のベース)が注目を集め、マツダはRX-01(期待されながら市販化されず)し、今後登場するスポーツカーに注目が集まっていた。

ということでメインどころは先輩方が担当し、若手が脇を固めるという感じだったが、筆者は広島出身ということもありマツダブースのBU-Xに張り付いていた。

デミオを見て正直ガッカリ!!

BU-Xを見てまず思ったのが日産のラシーンのようなクルマだな、というものだった。グリルガードを模したフロント回りの処理はタフさを感じさせ、背が高いことでユーティリティもよさそう。ルーフレールもアクティブな雰囲気で似合っていた。ボディサイズは小さいけど安っぽくないのがいい。

よく言えばシンプルだが、外板など安っぽさは隠せなかった初代デミオ

しかし、実際に市販されたデミオを見ると……。RVテイストはまったくないし、ただ背の高いコンパクトカーじゃないか、と少々ガッカリした。特に小さいけど安っぽくなかったBU-Xに比べて外板はペラペラで安っぽい!! 思い入れが強いクルマだっただけに、「コンセプトカーと市販車は違うと言ってもこれは詐欺だろ!!」って悲しくなった。 

タワーパーキングに入れられる車高がセールスポイントだった

知れば知るほど悲しくなった

編集者というのは事前に新型車の情報を得ることができる。BU-X改めデミオの事前資料を読み、追加で取材もする。

初代デミオは実質オートザムレビューの後継的モデルだ。レビューと言えば小泉今日子さんをCMキャラクターに抜擢。女性をターゲットとしていたが、あまりにも可愛すぎるデザインが女性からも敬遠されたといういわくつきのクルマだ。

初代デミオのリアはパッと見では商用車かと思うほど飾り気がない

初代デミオはメカニカルコンポーネントをレビューから流用している。そのレビューは名車フォードフェスティバのコンポーネントを使っていることを考えると、設計自体がかなり古い。この時点で絶望的な感じになった。

オートザムレビューの丸っこくてカワイイデザインは女性でさえ気後れした!?

インテリアは絶望的

メーカーの開催する試乗会で、いざ実車のデミオにご対面となった。写真で見るよりもデザインはスッキリしていていいと感じたが、筆者の悲壮感を覆すほどではなかった。それよりも、インテリアが……。とにかく安っぽい。インパネ回りはプラスチック剥き出しだしで味気ないし、シート素材だってチープ。使い勝手のよさを売りにしているのに、ドアミラーには電動格納が付いてなかったり、リアゲートもプッシュボタンがなく外から開けることができない。「安っぽいにもほどがあるだろ」、これで完全にマツダも終わったな、というのが当時の正直な感想だ。

マツダの名誉のために言っておくと、筆者が絶望したドアミラー、リアゲートは後に改良されて電動格納、プッシュボタン装着の改良を受け魅力アップしている。

奇をてらわず機能的ではあるがプラスチック部分が味気ない
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市原 信幸
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