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流行語大賞ノミネートの2022年以前から“聖地”

“ガチ中華”って言葉が流行語大賞にノミネートされたのが2022年。池袋はその前から“聖地”なんて言われてきた場所だ。

まず初日には中国人のSさんに同行をお願いし、『ムーさんの蒸鍋館』へ。お供は編集の戎くん。ちなみにSさんは来日たった10年で週刊誌編集も行っている天才で敬語は私よりも上手だ。

お目当ての「蒸気石鍋魚セット」は“他のメニューも食べたいよね”ってことで2人前をオーダーする。が、どデカいスズキが丸ごとドン!

続いて店員さんがやってきて、テーブルのボタンを操作すると間欠泉かってくらいの勢いで蒸気が上がった。天井には火災報知器。大丈夫なのか?

『ムーさんの蒸鍋館(ジョングォウグァン)』見よ、この強力スチーム。火傷には要注意

料理の詳細は前ページを読んでもらうとして、3人で挑んでもかなりのボリューム。と、そこへSさん。「日本の方ってみなさん少食ですよね」

そうかなぁ。でも今回のガチ中華巡りではそれを実感することになった。

2軒目に向かったのが『沸騰小吃城』で、いわゆる中華式のフードコート。東西南北、中国各地の料理を揃えていて見たこともないメニューもわんさかある。

「中国って地域によって食文化が全く違うから日本で友達になっても行く店に困るんです。だからいろんな地方の料理が揃うこんな店があると集まりやすいの」

そっか、小さな島国に生きる我々にとって中国は想像もつかないほど広いのだ。

そして別日に訪れたのが『アリヤ』。ハラール中華という謎ジャンルだ。予約しておいたので入口で名前を告げると「いらんいらん。何人?」みたいなジェスチャーをされる。予約とは……。

席に座れば隣はケンカでもしてんのかってくらい大声で話す中国のおじさん達。なんていうか大陸のおおらかさと押しの強さがたったの数十秒で身に沁みた。

「焼羊排(※焼の漢字は本来、火編に考)<羊のスペアリブ焼き>はプレートから木が生えた不思議な演出が異国感満載。味はどれも抜群です。

『四川麻辣湯』はガチ感ライト。お客は日本の若い女性もわんさかいて「辛〜い!」なんて、言いながら麺を啜っていた。辛さの中にもコクのあるスープに見事ハマり、思い返す度に食べに行きたくなる。

「ビュッフェで見かけるサイズですね」

そして最後は『大新疆』へ。看板料理っぽい「鶏肉じゃがいも煮込み」を注文。しばらく後、やってきた皿に目が点になった。

「ビュッフェで見かけるサイズですね」と戎くん。腹を括って挑んでみれば、身はほろほろでスープが染みたジャガイモもいい味。

格闘するように食べ進めるもたったの3分の1でギブ。帰っていった中国人客のテーブルを見ると完食した形跡が。Sさん、確かに我々日本人は少食です。

料理の味はもちろん肌で感じる文化の違いも楽しいもの。どこも大ボリュームなので大人数で挑むのが良いでしょう。

撮影/浅沼ノア(ムーさんの蒸鍋館)、小島昇(沸騰小吃城)、菜々山いく子(アリア、四川麻辣麺、大新疆)、取材/菜々山いく子

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※2024年12月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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…つづく「シンのガチ中華」では、達人が選んだ“ガチ中華”をレポート

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おとなの週末Web編集部
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