江戸の蕎麦文化と店の看板を守るため8代目の挑戦は続く『江戸蕎麦手打処 あさだ』@浅草橋 創業安政元(1854)年
看板を守ることはある意味、挑戦の連続かもしれない。
穀物商だった初代が江戸末期に創業した蕎麦屋の8代目、粕谷さんもまた、歴史を伝承しながら高みを目指すひとりである。
車海老天せいろ 2000円
機械打ちを取り入れた明治期は物珍しさで行列もできたというが、粕谷さんの代で再び手打ちに変えた。
「子供の頃は先代の味が一番と思っていましたが、次第に手打ちに負ける部分もあるとわかって。店を盛り返したい思いが強くなりました」。
打ち方も二八から十割に。和食の名店で修業し、蕎麦前も充実させた。全ては看板を守るためだ。
新蕎麦の時期に厳選した丸抜きを真空保存し、その日使う分だけ石臼で挽く。試行錯
誤で完成させた十割は豊かな風味としなやかなのど越しが実に心地いい。
古きを重んじ、挑戦を恐れない姿勢。これぞ江戸っ子の心意気である。
8代目の粕谷育功さん「季節感のある美味しい蕎麦前と酒も豊富に揃えています。」
[住所]東京都台東区浅草橋2-29-11
[電話]03-3851-5412
[営業時間]11時半~14時半(14時LO)、17時半~21時半(20時50分LO)、土の夜は~20時30分(19時50分LO)
[休日]日・祝、第1・3月
[交通]都営浅草線浅草橋駅A4出口から徒歩2分・JR総武線浅草橋駅東口から徒歩3分