全幅1780mmは国際基準の証
今回紹介する初代ウィンダムはレクサスESのトヨタ版として登場。ボディサイズは全長4780×全幅1780×全高1390mm。初代ESのボディサイズが全長4651×全幅1699×全高1349mm(数値が細かいのはインチからの換算のため)だから、全長が+129mm、全幅が+81mm、全高が+41mm大型化されている。特に1780mmの全幅は当時のクラウン、マークIIよりも幅広く、国際基準で設計された証だ。今の日本車の基準からすれば全幅1780mmは特に驚くものでもなくどちらかといえば小さい部類になるが、1991年当時としては超ワイドボディと話題になった。
初代ESがカムリプロミネントベースだったように、2代目もカムリと基本コンポーネントを共用していたが、まったく別物に仕上げられていた。
スポーティさとシックさを両立
初代ウィンダムのデザインはクラウン、マークIIなどでも人気のあったピラードハードトップボディを採用していたが、セルシオ(LS)に通じる質感の高さが売りだった。ボディサイドでは前後バンパーからつながる上下を分断するラインによって上下の厚みを感じさせないためスポーティに見えた。
ヘッドライトは4灯式のプロジェクター、横桟タイプのグリルを採用したことでワイド感が強調され、フロントマスクは精悍さも持ち合わせていた。
リアコンビランプはセルシオ(LS)と同系統のオーソドックスな横型タイプで落ち着いたセダンらしい雰囲気を醸し指すのに成功。そう、初代ウィンダムのデザインはスポーツセダン的要素とシックなフォーマルセダンとしての要素を絶妙に融合させていた。
レクサスクォリティのインテリア
筆者はレクサスの魅力はエンジンでも走りでもエクステリアデザインでもなくインテリアにあると思っている。これは現在のレクサスにも言えることだ。レクサス車はトヨタ車をベースとしているが、特にインテリアの別物感が凄いと思う。
特に素材をはじめとするインテリアへのこだわりはメルセデスベンツ、BMW、アウディのドイツ御三家を相手に勝っているのではないかと思えるほどで、その満足度は高い。それは初代ウィンダムについてもいえることで、インテリアに関してはクラウン、マークII3兄弟とは一線を画していた。ウィンダムでは価格のこともありES300のような贅沢な素材は使えなかったが、本木目パネル、タンの本革シート(オプション)、黒ではい明るい色のダッシュボード、セルシオ譲りのオプティトロンメーターの採用、人間工学に基づいた使い勝手の良さを追求しながらもデザインを重視したインパネ回り、シート形状、ドアトリムなど、上級志向の人たちの琴線をうまく刺激して好評だった。
また初代ウィンダムはほぼクラウンに匹敵するボディサイズながら、FFということもあり室内広さ、特にリアの居住スペースは広く快適だった。