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エンジンは3L、V6DOHCのみ

デビュー時のエンジンは、3L、V6DOHC(200ps/28.0kgm)のみなのは、ES300と同じ。トヨタの高級車の定番は直6エンジンで、V6エンジンは1987年にカムリプロミネントに搭載された2L、V6が初ということで日産、ホンダよりも後発だったが、さすが満を持して登場させただけあってその評価は高かった。

このV6エンジンは、トヨタの十八番である直6エンジンに対してスムーズさという点では劣るものの、力強さ(特に低速トルク)があった。スポーティではないが、GTカー的に高速道路をクルージングするには最適だった。V6エンジンは振動が出やすい、燃費がイマイチといったデメリットがあるなか、それをうまく潰していた。

ウィンダムは1993年に廉価版となる2.5L、V6を追加して販売面にも貢献。

低速トルクが太い3L、V6エンジンはパンチ力があった

1991年は話題のクルマがいっぱい

ウィンダムがデビューした1991年は1989年、1990年に負けず劣らず大物がデビュー。4代目ホンダプレリュード、スズキカプチーノ、9代目トヨタクラウン、初代アリスト、三菱ランサー/ミラージュ、そして極めつけがマツダアンフィニRX-7(FD3S)と話題車ばかり。

ブランニューFF高級セダンのウィンダムは正直筆者のなかでは、埋もれた存在(正確には興味の対象外)だったのだが、デビューと同時に一躍人気モデルとなった。バブルははじけてはいたが、高級車への重要はいまだに高かったという背景はあるが、そこにはトヨタのしたたかな戦略があり、それは無視できない。

ウィンダムの高級感は上昇志向の人の琴線を刺激

イメージ戦略が成功

ウィンダム(WINDOM)という車名はWIN(勝利)+DOM(状態にある)という2つの言葉をミックスさせた造語だ。勝利した状態にある、これはつまり成功者を意味している。この名前からもウィンダムは上昇志向というのがキーポイントとなる。

これはTV CM、カタログなどでも徹底していた。例えばTV CMでは、「9月7日、実業家デヴィッド・ロス、レクサスES300を購入。ES300 日本名ウィンダム誕生 これがワールドプレステージクラス」とエグゼクティブ感をアピール。そのほか脳外科医ジョージ・トーマス氏バージョンなどもあったし、国際線の機長も登場するなど「誰それ?」と思いながらも、トヨタの戦略に洗脳される人が多数。

どことなく育ちのよさが感じられるウィンダム

日本では売っていないレクサスESの凄さをアピールすることで、ウィンダムってすごいんだよ、と認知させる。LSのトヨタ版のセルシオ、GSのアリスト、SCのソアラ、ISのアルテッツァでもこのようなプロモーションは展開していないトヨタでも異例の手法だった。

そして「Are You WINDOM?」のキャッチフレーズ。どこまでも挑戦的で、どこまでも自信満々というのは筆者のようなひねくれ者は鼻についていけ好かないと思っていたが、販売面で成功したことを考えるとおおむね好意的に受け止められていたのだろう。

リアコンビはセルシオ譲りの安心感
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カタログも歯の浮く言葉の連発
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この記事のライター

市原 信幸
市原 信幸

市原 信幸

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