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東大寺や春日大社にもほど近い、奈良市の奈良公園内に古民家を改修したオーベルジュ(宿泊施設があるレストラン)が誕生し、話題となっている。2024年9月オープンの『VILLA COMMUNICO(ヴィラ コムニコ)』だ。実はここは、2022年と2023年の「ミシュラン奈良特別版」で1つ星を獲得した小さなレストラン『communico(コムニコ)』(奈良県生駒市)を営んでいたシェフが中心となって誕生した宿だ。近年注目の食を目的とした旅「ガストロノミーツーリズム」を軸に、観光課題に挑むシェフと、レストランメインの宿ならではの魅力とは……?

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「日帰り利用で滞在時間の短さ」が奈良県の観光課題

奈良市の観光客数は2023年に1219.9万人となり、新型コロナウイルスの影響で落ち込む前の2019年に記録した1741.1万人の約70%まで回復してきた。さらに、宿泊客数は2019年を上回る174.8万人を記録している。

しかし、それでも他県と比較した場合の観光課題は、消費単価が安く、滞在期間が短いことだ。京都や大阪へのアクセスがよいことから、県外に宿泊し、日帰りで去ってしまう観光客が少なくないそうだ。そして、その客のほとんどが奈良公園周辺の狭いエリアに集中している。

人気を誇る奈良公園内「水谷茶屋」

築111年、古民家を改修したオーベルジュ

そんな奈良公園内に開業したガストロノミー・オーベルジュが、今回紹介する『VILLA COMMUNICO』である。「ガストロノミー」は「美食学」の意。主役は、オープンキッチンが目を引くレストランだ。

炎が燃え上がる薪台が目を引く『VILLA COMMUNICO』のレストラン

山焼きに着想を得たオーダーメイドの薪台を使い、薪火を熱源にした薪火料理を堪能することができる。大きな窓から見える若草山を眺めつつ食事ができる点も魅力だ。

趣を感じるノスタルジックな宿の外観

近鉄奈良駅からタクシーを走らせ、わずか10分。国の天然記念物にも指定されている鹿の多くが悠々と歩く道を通り過ぎ、若草山の麓に到着。その目の前に『VILLA COMMUNICO』はある。築111年で、古民家を改修した建物は、当初の面影が残り、どこか懐かしさを感じる佇まいだ。

宿周辺には、奈良のシンボルとも言える鹿が多数生息している
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外観のイメージを覆す、モダンで洗練された空間へ...
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中村友美
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