お彼岸におはぎをお供えするのはなぜ?夏と冬にもあった!おはぎの呼び名
一年のうち昼と夜の長さが等しくなる日は2回あります。それが「春分の日」と「秋分の日」です。仏教では、先祖のいる世界を「彼岸(ひがん)」、私たちが生きている世界を「此岸(しがん)」と言います。春分・秋分の日には昼と夜の長さが等しくなることから、彼岸と此岸の距離がもっとも近づく日とされ、先祖供養などを行う習わしができました。
春の彼岸には「ぼたもち」を、秋の彼岸には「おはぎ」をお供えします。小豆の赤色には邪気や災厄をはらい、ご先祖様を供養する力があると考えられてきたためです。
「おはぎ」と「ぼたもち」ほど一般的ではありませんが、夏と冬に対応する呼び名もあることをご存じでしょうか。おはぎには四季に応じてつぎのような呼び名が充てられています。
春の「ぼたもち」
夏の「夜船」(よふね)
秋の「おはぎ」
冬の「北窓」(きたまど)
おはぎはもち米を使いますが、餅のように杵(きね)で搗(つ)くことはしません。そのため、いつおはぎを作ったのか近所の人は分からないというところから、
搗き知らず→着き知らず→夜船(夜はいつ船が着いたか分からない)
搗き知らず→月知らず→北窓(北側の窓は月の光が入らない)
と呼ばれるようになったという説が有力です。
(参考)
[1] ぼた餅(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2003/spe2_01.html
[2] 季節と餅(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2001/spe2_01.html#ph03
[3] 農菓プロジェクト(北陸農政局)
https://www.maff.go.jp/hokuriku/food/washoku/torikumi/ishikawa2.html