木本植物と草本植物の違い
答えは、(1)の「バナナの木」です。
バナナは高さ2~10mにもなり、まるで木のように見えます。しかし、木のように見える部分は仮茎(または偽茎)と呼ばれ、木のような堅い幹ではなく、やわらかい葉が幾重にもかさなったものです。したがって強風に弱く、台風などで大きな被害が生じることがしばしばあります。
いわゆる「木」と「草」は、植物学ではそれぞれ「木本(もくほん)植物」、「草本(そうほん)植物」と呼ばれます。バナナは「草本植物」に分類されます。木と草の一番の違いは、「形成層」と呼ばれる組織があるかどうかです。木では形成層が「木質部」と呼ばれる堅い部分を作り、幹が太くなっていきます。これにより木は何年も成長を続けることが可能で、ご存じのとおり樹齢千年を超えるものまで存在します。一方、草には形成層がないため、草の「茎」は木の「幹」のように堅くなることがなく、またある程度の太さになるとそれ以上太くなることはありません。草は成長スピードがはやく、約1年で発芽、開花、結実、枯死のサイクルを終える「一年生植物」も多く存在します。
木と草の違いは、年輪があるかどうかの違いと言われることもありますが、年輪は季節変化などによる生長速度の違いから生じるもので、熱帯地方などの季節変化がほとんどない地域では、木であっても年輪が出来ない場合があります。したがって年輪の有無も決定的な違いとは言えません。