初代が生み出し、二代目が命名した伝説の「呼び戻し」スープ
大砲ラーメンには創業以来、営業終了後も空にしてこなかったスープ釜があります。毎日、その釜の熟したスープに別の釜で作った新しいスープを少しずつ継ぎ足し、より深いコクと旨みを出しました。初代・昇さんが試行錯誤の上で生み出した技法です。濃厚でありながらもまろやかな口当たりの味。初代が作り上げた技法を二代目・均史さんが「呼び戻し」と命名しました。
この技法は単純に継ぎ足すのではなく、季節や日によって調合が異なるために高い技術を要します。均史さん曰く「呼び戻しとは、積み上げられた歴史の味を今日に残すという意味で、勘と経験が物を言います。技術を身につけるまで最低でも3年の年月が必要です」とのこと。
そして、半世紀以上たった現在もその釜のスープを絶やすことはありません。今回のラー博出店の際も釜から釜へ、店から店へと「スープ分け」を行うことで、創業当時から熟成され続けた「呼び戻し」スープは引き継がれるのです。
とんこつにうるさい九州人を虜にする
「大砲ラーメン」は2023年に創業70周年を迎える老舗でありますが、これまであえて九州を出ずに地元に根付いた展開を行ってきました。そのため首都圏ではあまり知られていない存在ではありますが、地元久留米のみならず九州全域では誰もが知っている存在なのです。
実際のところ、過去の雑誌の特集で、九州在住の524人が投票するランキングにおいて1位を獲得するほどの人気度・知名度で、その時の2位以下の店舗は首都圏でも人気を博しているお店であることを考えると、九州における「大砲ラーメン」の位置づけはおのずと想像がつくものです。
このことが「九州ラーメンの重鎮」の所以なのです。