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最初の階段の1段目は、やさしいことから

このように、やるべきことをこまかく刻んでいくことを「チャンクダウン」といいます。チャンクとは「塊」のこと。やるべきことが細分化されると、頭の中が整理されてぐっと行動しやすくなります。

何も区切られていない状態から、いきなり全部、「やってみて」と言われても、作業を進められないことが多いものです。ですから、最初の階段の1段目を、赤ちゃんが上れるくらいの高さに設定するのです。これを「ベイビーステップ(スモールステップ)」といいます。簡単にできそうなやさしいことから、少しずつ取り組ませることで、負担が大きいと感じる作業を気軽に進めることができます。

誰でもスタートするということが、いちばんむずかしいものです。子どもが「大変だからやりたくない」「面倒くさい」と思っていることに対しては、内容を細分化するのがいちばんです。「それくらいならできるかも」と思わせることで、手をつけやすくなるはずです。

「とりあえず5分」と時間で区切るのも有効

また、内容ではなく、時間で区切ることも有効です。「とりあえず5分だけやってみて」という言い方をすれば、行動するまでの心理的負担が少なくなり、腰が軽くなります。

いきなり、「1キロをランニングしなさい」と言われても、大変そうで踏み出すには勇気がいるでしょう。最初は「とりあえずランニングシューズを履いてみて」「とりあえず10メートル走ってみて」と小さく区切りを設けてあげることで、子どもに「できそう」と思わせることが大切です。

マンガと文/杉山奈津子(すぎやまなつこ)


杉山塾代表。1982年、静岡県静岡市に生まれる。静岡雙葉高校3年時の実力模試は「偏差値29」だったが、独学勉強法で1浪後、東京大学理科二類に合格。2006年、東京大学薬学部を卒業後は、作家、イラストレーター、心理カウンセラーとして活動。2020年、静岡市内に「杉山塾」を開き、小学生~高校生の学習塾代表として活動中。近著に『東大ママの「子どもを伸ばす言葉」事典』(講談社ビーシー/講談社)がある。

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おとなの週末Web編集部
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