月光に照らされる庭の美しさが讃えられた「月の庭」
三庭苑のうち唯一、作庭時と同じ場所にあり続けているのが「清水の舞台」で有名な清水寺の塔頭・成就院の庭園「月の庭」です。清水寺が建つ音羽山の斜面を活かした構造で、室町時代に相阿弥が作庭した庭がもととなり、後に江戸時代の名造園家・小堀遠州が補修したとも、松永貞徳が修景したとも伝わる歴史ある庭です。
奥に見える東山を借景に奥行きを演出し、松や椿の銘木、歌にも詠まれた石燈籠、豊臣秀吉が寄進したとされる見事な手水鉢、烏帽子の形をした奇石など、見飽きることのない庭でありながら、時が止まったかのような静けさを感じさせます。国指定名勝でもある「月の庭」はは例年春と秋に期間限定公開されますが、本年は冬季公開があり3月19日まで特別公開されています。