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月光に照らされる庭の美しさが讃えられた「月の庭」

三庭苑のうち唯一、作庭時と同じ場所にあり続けているのが「清水の舞台」で有名な清水寺の塔頭・成就院の庭園「月の庭」です。清水寺が建つ音羽山の斜面を活かした構造で、室町時代に相阿弥が作庭した庭がもととなり、後に江戸時代の名造園家・小堀遠州が補修したとも、松永貞徳が修景したとも伝わる歴史ある庭です。

往時は月に照らされた庭の美しさで名を馳せたという「月の庭」。秋の特別公開時は夜間の拝観もあり 写真提供/清水寺

奥に見える東山を借景に奥行きを演出し、松や椿の銘木、歌にも詠まれた石燈籠、豊臣秀吉が寄進したとされる見事な手水鉢、烏帽子の形をした奇石など、見飽きることのない庭でありながら、時が止まったかのような静けさを感じさせます。国指定名勝でもある「月の庭」はは例年春と秋に期間限定公開されますが、本年は冬季公開があり3月19日まで特別公開されています。

もとは散策して楽しむ回遊式庭園として造られたが、現在は成就院から座って鑑賞するのが最も美しく見える設計となっている。水音や鳥のさえずりが耳に心地よく、豊かな自然と溶け合うようなたたずまいが見る者を癒す 写真提供/清水寺
音羽山(おんわさん)の斜面に建つ清水寺。「清水の舞台」で知られる本堂の舞台は急峻な崖に張り出すように建てられており、その高さは約13メートルもあるという 写真提供/清水寺
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おとなの週末Web編集部
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