第3位『赤丸ベーカリー』 @雑司が谷
いつものおいしいのために、変化を厭わない
「奇をてらうことなく、基本通りに真面目に作る」(赤丸尋智さん)をモットーにパンが焼き上げられていく。
バニラ香料から手作りするカスタードを使ったクリームパンのように完成されたレシピのものもあれば、いろいろ吟味した末、小麦は香りも食感もよい北米産の最高級のものに。
味噌カツの味噌もパンとカツの味を引き立てるものにと、採算度外視で少しずつ味を進化させ続けているものも多い。
クリームパン 170円
町のパン屋さんのお客は近隣の方が中心で、毎日のように買いに来る。尋智さんの言う基本通りとは「いつもの『おいしい』を裏切らないように作り続けること」だ。
前身である和菓子店『赤丸文化堂』時代から数えて約100年。今は4代目となる赤丸兄妹ふたりで営むため、開店は少し遅めの朝11時。しかし、それを待って食パン、サンドイッチ、クリームパン……目当てのパンをあれもこれもと買い求めるお客が後を絶たない。地元との共存共栄。町のパン屋さんの理想的な姿がここにある。
[住所]東京都豊島区雑司が谷1-7-1
[電話]03-3971-6624
[営業時間]11時〜19時半 ※売り切れ次第終了
[休日]木
[交通]地下鉄副都心線雑司が谷駅2番出口から徒歩5分
第4位『パン工房 麦ふうせん』 @富士見台
アイデアいっぱい!多彩なパンに迷うのも楽し
以前は電気工事を手掛けていたというご主人の大野和彦さん。奥様がパン教室に通ったのをきっかけに、平成7(1995)年にパン屋に転じた。以来、もうすぐ30年になる。
店に入るときっとびっくりするのは、多彩なパンのラインナップ。種類が多いだけではない。アイデア豊富であれもこれも試してみたくなるココならではのものがたくさんある。
クリームフレンチ(さつまいもとりんご) 183円、きのこのホワイトシチュー 324円、フルーツタルト 259円、エビカツコッペ 345円
前日から卵液に染み込ませたフレンチトーストのバリエーション、創業時からの量り売りのミニパン、独自の配合でふっわふわ食感のラウンドのアレンジ……。個人的に見逃せないのは、手作り感あふれる惣菜パンの数々。
「ご飯のおかずにいいものをいろいろ工夫してね」とご主人はにこやかに言う。エビの旨みにタルタルがいいエビカツコッペでしょ。ちょっと贅沢感あるパストラミビーフもいいし。
「地域密着で、価格もなるべく抑えて」とも。お客さんの笑顔を願って毎朝3時半から、7時の開店にはいつも素敵なパンが並んでいる。
[住所]東京都練馬区富士見台2-4-15
[電話]03-3999-3467
[営業時間]7時〜18時
[休日]日・月
[交通]西武池袋線富士見台駅南口から徒歩5分
第5位『コトリパン』 @清澄白河
やさしい気持ちになること請け合いのふかふかパン
今年4月、開店から12年を迎えた『コトリパン』。朝8時のオープンと共に近隣住民や会社勤めの人たちが訪れ、お気に入りのパンを買っていく。週末は遠方からも客が来る人気店だ。家族みんなで行ってもそれぞれの好みに合ったものを選べるようにと、並ぶパンは約100種。
1種類につき6~8個程度しか作らないし、焼いて並べたところからどんどん売れるから、タイミングによって出合えるパンが変わるのも楽しい。ただし、平日は13時頃、週末は11時頃には棚が寂しくなりがちなので注意が必要。
カマンベールくるみパン 230円、焼きそばパン 180円、フィッシュ白パンサンド 200円、コトリパン 230円
店名が冠された「コトリパン」の生地は、ほぼ牛乳で仕込んでいてきめ細やか。鉄板を被せて焼くことで水分が飛びづらく、ふわっふわ。白パンや惣菜パンなどで使われる生地はさらに柔らかでクセになるもっちもちさだ。
と言いつつも、実はハード系パンも得意だったりする。要するに、何を食べてもおいしいから毎日でも行きたくなるんです。
[住所]東京都江東区福住2-7-21
[電話]03-6240-3626
[営業時間]8時~売り切れ次第終了
[休日]月
[交通]地下鉄半蔵門線ほか清澄白河駅A3出口から徒歩8分