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赤帽はスバルが独占

赤帽仕様のサンバーによって得られたデータは、通常のサンバーにもフィードバックされてクルマの進化に大きく役立てられた。今では一般公道を使って電気自動車、自動運転車両の実証実験が行われているが、サンバーは大量の赤帽仕様車によって、生きたデータを得られたことにより信頼性をはじめ、クルマが大きく熟成したのは言うまでもない。

赤帽といえばサンバーで、6代目までは他メーカーに付け入るスキを与えず独占試乗となっていた。現在はダイハツが赤帽仕様を手掛けている

2008年4月の発表に激震

サンバーは4代目(1982~1990年)、5代目(1990~1999年)、6代目(1999~2012年)とフルモデルチェンジを重ね、多少の浮き沈みはあっても堅調な販売をマーク。660ccへの排気量アップ、現在のボディ規格(全長3.4m、全幅1.48m)へも対応させ、根強い人気を誇ったが、2008年に富士重工は、「将来的に軽自動車の開発・生産から撤退し、軽自動車のラインナップはダイハツに依存するかたちとなる」と発表した。

サンバーだけでも作ってくれ!! という悲痛な叫び

富士重工はスズキ、ダイハツのように数の売れる車種ではないが、富士重工らしいマニアックで、ライバルにない魅力を備えた個性的な軽自動車を販売してきた。日産、ホンダの台頭、スズキ、ダイハツに対抗することが難しく、利幅の小さい軽自動車の開発・生産を続けることは非効率と判断したというのが撤退の理由と言われている。

サンバーがなくなったら「赤帽はどうなる?」というのがクルマ界でも話題になり、「サンバーだけでも作り続けてくれ」という声は高まったが、当然発表が覆ることはなかった。

ヴィヴィオビストロが先鞭をつけたレトロブームでは、サンバートラックにもクラシックが設定された

WRリミテッドが超絶人気

そんなサンバーだが、富士重工は、2011年7月にサンバーバン&トラックの特別仕様車で李最終の限定車となるWRブルーリミテッドを発売開始。車名のとおりWRCに参戦していたインプレッサWRCのワークスカラーをモチーフとしたWRブルーのボディカラーを纏ったモデルで、内装にイエローステッチがあしらわれるなど特別感にあふれていた。

WRリミテッドはバン、トラックで合計1000台の限定販売だったが、あっという間に完売して、直後はプレ値がついていた。中古車相場はここ数年落ち着いてきたが、今でも基本的に新車価格(89万9000~140万8950円)よりも高く売られている中古車が大勢を占めている。

WRブルーリミテッドをWRカーをモチーフに改造するスバリスト。ナンバーの555は、当時のスバルWRCのスポンサーをしていたブリティッシュアメリカンタバコの銘柄
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7代目からはダイハツハイゼットのOEM車...
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この記事のライター

市原 信幸
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