路地裏で見つけた“本格二八蕎麦”
新津田沼駅周辺の散策を終えると、時計は14時を指していた。お腹が空いた。津田沼といえば、“ラーメン激戦区”の一つに数えられる地域でもあるが、少々へそ曲がりなゆえ、“ラーメン以外の食探し”と意気込み、新津田沼駅からJR津田沼駅周辺を歩きまわってみた。見つけました、ありました、お蕎麦屋さん。JR津田沼駅北口から徒歩5~6分の住宅街にある、“本格二八蕎麦”が食べられる「つだぬまや」さんへ、いざ入店。
店舗はモダンな造りで、店内はテーブル席のほかカウンター席、座敷(小上がり)もあり、おひとり様から家族連れ、グループまで幅広い客層に対応しているのはうれしい。ランチタイムのラストオーダーは14時30分で、この日もご近所さんと思しきお客さんで、店内はにぎわっていた。早速、カウンターに座り、“二八蕎麦”を注文する。もちろん「もり」である。歩き回ってお腹がすき過ぎたのか、“ミニ天丼”のセットにしてしまった。
店内には、ほのかに出汁の香りが漂い、それだけでも生唾ものである。伺ったのはランチタイムだったので、”昼酒”は自粛。聞けば夜は、“蕎麦飲み”も大歓迎との由。ご主人は、元々日本最大のホテルチェーンの厨房で20年間、和食を担当していたそうだ。どうりでメニューには、“和のおつまみ”が充実しているわけだ。なんでも、ホテル勤務時代に長野県へ転勤したことがあり、そのときに出会った「蕎麦」の美味しさが忘れられなくて、ほどなくホテルを退職し、成田市内の蕎麦店で修業したのだとか。そして、11年前にこの地に店をオープンしたそうだ。
蕎麦粉は、北海道蘭越町(らんこしちょう)の農家さんから、定期的に“挽き立て”を仕入れ、風味を損なわないように店内での長期保存はしないというのが、ご主人のこだわりだという。蕎麦は、その日の気温や湿度に合わせた繊細な水加減で、ご主人自らが打つ。出汁に至っても”削り節”の「酸化」を避けるため、日々、削りたて、味かおりを引き立てることを心がけているそうだ。そんな話を聞いてしまうと、ますます食欲をそそられる。
さて、目の前に運ばれた「二八蕎麦」を実食する。蕎麦は、ほのかなそば粉の香りにコシと歯ごたえのある食感に感激。“つゆ”からも出汁のうま味豊かな“かおり”が漂い、丁寧に“かえし”を取っていることがわかる味わいだった。天丼も、ご主人自らが地元の農家に出向き、直接仕入れた野菜とあって本来の甘みやうま味が引き立つ、文句のつけようがない美味しさだった。
「今度はぜひ、“月替わり蕎麦”も食べてみてください」と、丁寧な接客をしてくれたマネージャーさんから声をかけられた。4月の月替わりは、「“新たけのこ”の天婦羅」だそうで、これは絶対に「蕎麦飲み」で再訪しなければなるまい。“蕎麦焼酎の蕎麦湯割り”なんて最高だろうな、と想像するだけで顔がニヤけてくる。食後に、“蕎麦粉を使用したデザート”もオススメされたのだが、もうお腹いっぱいである。これも次回の楽しみとして、店を後にしたのだった。
〔店舗情報〕「つだぬまや」船橋市前原西2-5-6、電話047-407-4158、営業時間/昼11:30~14:30(ラストオーダー)・夜17:30~21:00(ラストオーダー)、定休日/毎週火曜・水曜と、月曜に不定休が月2回あり、駐車場は近隣にコインパーキングあり。
文・写真/工藤直通
くどう・なおみち。日本地方新聞協会特派写真記者。1970年、東京都生まれ。高校在学中から出版業に携わり、以降、乗り物に関連した取材を重ねる。交通史、鉄道技術、歴史的建造物に造詣が深い。元日本鉄道電気技術協会技術主幹、芝浦工業大学公開講座外部講師、日本写真家協会正会員、鉄道友の会会員。