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“MOTTAINAI” 精神のラーメン

このスタイルは魚の卸時代に培った“MOTTAINAI”という考え方から。原口さんいわく、「アメリカでは、まだまだ魚に対する価値観や知識、料理方法といったものは浸透していません。この状況を変えるには、エンドユーザーから変えていかなければなりません。そして日本の文化を伝えられるのは、日本人だけと思われがちですが、実は現地の人たちです。スタッフの多くはアメリカ人ですので、彼らが関心を持ち、知識や技術を身につけることにより、彼らからアメリカに広がっていくのです。こうした積み重ねが魚文化をつくると思っています」と。日本とアメリカに精通する原口さんだからこそ導けた答えでした。

ニューヨーク・ブルックリンにある「Y U J IRAMEN」の店内=2017年

“MOTTAINAI”という言葉は、今では世界共通語として広く知られるようになりました。これは環境分野で初のノーベル平和賞(2004年)を受賞したワンガリ・マータイ氏が、来日した際に感銘を受けた言葉であり、そこから広まっていきました。

残念ながら、日本の「食料廃棄率」及び、「ひとり当たりの廃棄量」は世界一です。この言葉は本来、日本人が大切にしていた精神だったにもかかわらず、モノがあふれる今日ではそれが感じられません。そこで、原口さんは、“Honor Your Fish~お魚を大切に~”という言葉をスローガンに、有効活用されていない食材を、技術と知恵、工夫により高いクオリティに仕上げ、食材廃棄問題の解決策として提案し続けています。

鮪骨の旨みが凝縮した「ツナコツ」ラーメン

「YUJI RAMEN」のスープは、豚骨や鶏ガラなどの動物系素材を一切使用せず、マグロのアラをオーブンでローストし、強火で炊き上げ白濁させた「ツナコツ」。漢字で表すと「鮪骨」スープとのことでした。ゼラチン質をたっぷり含む力強いスープに仕上がっています。アクセントとして使用する「柚子胡椒」が風味をより一層引き立てます。

ローストしたマグロのアラを強火で煮込んで作る「鮪骨(ツナコツ)スープ」

スープに合わせる麺は、「極細ストレート麺」。麺に加える水分(加水)が少ないため、力強いスープとのマッチングは絶妙です。

具材は、低温の油でじっくりと火を通した「マグロのコンフィ」。しっとりホロホロ食感で旨みたっぷりです。そのほかの具材は、白髪ネギ、カイワレ、ミョウガ……。スープを引き立たせるためのシンプルな構成です。

マグロのアラを白濁させた唯一無二のトンコツならぬ「ツナコツ」ラーメンをぜひご堪能ください。

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アメリカで、本当の魚料理の魅力を伝えたい
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おとなの週末Web編集部
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