GTターボにギャップ萌え
エンジンは、2L、直4DOHC(140ps/19.0kgm)、2.4L、直4DOHCディーゼル(155ps/21.6kgm)、2L、直4DOHCターボ(200ps/27.0kgm)の3種類。実用エンジンとして定評のあったSR20DE、トルクフルで余裕のディーゼルKA24DEに加え、日産の2LのスポーツエンジンのSR20DETを搭載するGTターボの走りはスポーティ。ルネッサは実用性重視のクルマながら、GTターボの駆動方式は4WDのみということもあり、トラクション性能に優れていて、安心・安全に気持ちのいい走りが楽しめた。
GTターボは販売比率は極少数だったが、ただの背の高いワゴンに見えながら、快速ツアラーという”ギャップ萌え”したマニアから愛されていた。
EVありきで生まれたルネッサ
3種類の内燃機関エンジンを設定していたルネッサだが、もうひとつ画期的なパワーユニットを用意。それは当時としては珍しい電気自動車だ。ルネッサEVは1998年5月に発売開始となったが、一般販売はなく官公庁、電力会社向けにリース販売(月額約27万円!!)。ルネッサを語るうえで、このルネッサEVは非常に重要な意味を持っている。
1990年代に入りアメリカのカリフォルニア州で大気汚染対策として『ZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)規制』が施行されることになった。これは、カリフォルニア州である程度の販売台数を計上している自動車メーカーは排ガスゼロのクルマ(つまり電気自動車)を一定比率で販売しなければいけないという厳しいもの。
それに対処するために日産は新型EVの開発を進め、床下にバッテリーを搭載する新型プラットフォームを開発。これにより誕生したのが、北米向けのアルトラEVであり、日本で販売されたルネッサEVなのだ。
日本で販売されたルネッサはEV専用プラットフォームに一部改良を加えてエンジンを搭載したモデル。つまりルネッサはEVありきで誕生したという点で非常に珍しい生い立ち。
日産のEV戦略の礎的モデル
日産はプレーリージョイEVでソニーと共同開発したリチウムイオンバッテリーを世界で初めて搭載。プレーリージョイEVの技術を新開発プラットフォームに落とし込んだのがアルトラEV、ルネッサEVだったのだが、2010年に世界初の量産型EVとして自動車史に名を残すリーフや現在のアリアの技術的土台となったのだ。日産の現代のEV技術において、ルネッサEVは非常に大きな意味を持つ一台だったと言える。
リチウムイオンバッテリー制御のノウハウ、ネオジム磁石同期モーター技術、床下にバッテリーを敷き詰めるフラットフロア思想もルネッサEVが礎となっている。さらにルネッサEVでは非接触(ワイヤレス)充電も採用していた。ルネッサ時代にはいろいろな課題に直面しモノにならなかったが、現在も日産は普及を目指し開発を進めている。





