コーンフレークで考える乳製品の今「食育は日々の食卓から」 コーンフレークは、牛乳のほかヨーグルトやアイスクリームといった乳製品と特に相性抜群です。 牛乳や乳製品は栄養価が高い食品として日々欠かせませんが、過去に牛乳やバタ…
画像ギャラリー週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で連載中の「クッキングパパ」は、主人公のサラリーマン荒岩一味が、得意の料理の腕を振るって、家族や同僚らとの絆を深めるストーリーが人気。
著者のうえやまとちさん自身が、試行錯誤を繰り返しながら作り上げた自信作のオリジナルレシピを、詳細なイラストと臨場感あふれる筆致で紹介しています。本欄では3月3日号で通算1600話を突破した膨大なエピソードのなかから、毎週1つを取り上げ、その料理にまつわる四方山話をお届けします。
長引くコロナ禍で、自炊をする人が増えているいま、「クッキングパパ」を参考に料理を作って食べて楽しんでみませんか。第25回は「コーンフレーク」です。
朝食にじわり人気! 不足しがちなビタミン、ミネラルを手軽に補給
コーンフレークは、蒸したとうもころこしを潰して伸ばして焼き上げた後、砕いて主に牛乳に混ぜて食べます。
最近、若い女性を中心に、コーンフレークやオートミール(オーツ麦の加工食品)といったシリアル食品をご飯やパンの代わりに朝食にする人が増えています。日頃不足しがちな食物繊維やビタミンが手軽に摂れるとあって人気のようです。
クッキングパパ 第46巻「COOK.457 オシャレな朝食コーンフレーク」は、小学生の男児が妹に手作りのコーンフレークを食べさせたい一心で、試行錯誤しながら作っている姿が微笑ましいですね。ほとんど火を使わないので、安心です。夏休み、大人は見守る程度にして、お子さんにキッチンでチャレンジさせてみてはいかがでしょう。
とうもろこしは「茹でるより蒸す」! レンチンでサクサクの食感に
夏を代表する味覚のひとつ、とうもろこしは新鮮なものほど甘いので、買ったらすぐに皮をむいて蒸し器にかけ強火で蒸しましょう。茹でるよりも蒸したほうが、甘さも栄養も逃げません。実がぷっくりしてツヤが出たら、ミキサーやフードプロセッサーにかけて、少しずつ牛乳を加えてクリーム状にします。
取り出したら、シートの上に電子レンジに入る直径で厚さ約5mm程度の薄さに伸ばします。さあ、ここからが腕の見せどころ。サクサクのフレーク状に美味しく仕上がるよう、きちんと水分を飛ばすのがコツです。
そのために、深めの皿を裏返ししてその上に置いたりして、均等に熱が回り、焼きムラがおきにくいよう工夫します。
水分を飛ばしてバリバリの食感になるように、温度と時間を調整しながら、しっかり乾燥させます。市販のコーンフレークは、砂糖や添加物が気になりますが、自家製は混じりけなしの純正派! 桃やキウイなどのフルーツを添えてヘルシーにいただきましょう。
できあがったコーンフレークは、アイディア次第でアレンジも楽しめます。
フライドチキンやエビフライの衣にまとえば、いつもとは違うバリっとしたキレの良い仕上がりに箸が進みます。サラダのアクセントにもいいですね。
また、溶かしたチョコレートやマシュマロと混ぜて固めれば、クッキーやクランチバーといったスイーツにもなります。
コーンフレークで考える乳製品の今「食育は日々の食卓から」
コーンフレークは、牛乳のほかヨーグルトやアイスクリームといった乳製品と特に相性抜群です。
牛乳や乳製品は栄養価が高い食品として日々欠かせませんが、過去に牛乳やバターが過剰在庫や品不足となり、食卓を揺るがせました。
2021年末および2022年春先、生乳(せいにゅう)が大量に破棄されるのではないかと世間を騒がせました。新型コロナウイルス禍の緊急事態宣言を受けて、飲食店の営業時間短縮に伴い、外食需要が落ち込み、さらに冬休みや春休みに入って学校給食がなくなったため、行き場のない生乳の過剰在庫を抱えることになったのです。
事態を懸念した農林水産省や業界関係者は、「給食のない日も牛乳で栄養バランスを」といった消費喚起のキャンペーンに励み、スーパーやコンビニでも牛乳の値引き販売を行ったりして消費は盛り上がり、何とか廃棄は回避できました。
また、2014~2015年にかけては、国内で深刻なバター不足が起こり、一時、スーパーの店頭からバターがすっかり消える事態となりました。その後、購入数を制限しながら、酪農業界は安定したバターの供給に努めるべく、増産に体制に踏み切り効果が出てきた矢先で起きたのが、新型コロナウイルスの流行でした。
これらは、乳牛という生き物相手に、その生乳の生産量を人間が調整する難しさを改めて浮き彫りにしています。また、酪農家の後継者不足、肥料や資源の高騰など年々厳しさを増している現状に目を向ける必要があります。
お子さん手作りのコーンフレークをいただきながら、ぜひ、親子で食卓を取り巻く話題にアレコレふれてみるのはいかがでしょう。
◆『クッキングパパ』とは?
福岡市博多を舞台に、商社の営業課に所属するサラリーマン、荒岩一味が家族や同僚、友人らに得意な料理の腕前を披露、食を通じて周囲の人々に笑顔とパワーを与える物語。作中ある料理のレシピは、定番料理からオリジナルメニュー、地元九州の郷土料理まで多岐にわたり、詳細なイラストとポイントを押さえた簡潔な説明はいま、すぐ作りたくなると好評を博している。
週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で1985年から連載している人気シリーズで、2022年4月現在、単行本は161巻。
※「おとなの週末Web」の記事では本稿紹介の漫画、クッキングパパ 「COOK.457 オシャレな朝食コーンフレーク」を一話丸ごと読むことができます。
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