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『腸活』がメンタル面に作用するというのはホント?

『グアー豆食物繊維』を顆粒状に加工した商品も販売されている。

──食物繊維にも種類があり、そこまで特性に幅があるとは知りませんでした。摂取にあたり、なにか留意すべき点はありますか?

内藤裕二教授/現代の日本人は、平均して14~15gの食物繊維を一日に摂っていると推定されていますが、WHO(世界保健機関)は食物繊維を1日あたり25g摂取することを推奨しています。国が定めた基準では男性20g、女性18gが目安とされていますが、それでも現代人は食物繊維が不足しています。このギャップを埋める意味でも、一日の追加摂取量は5~10gが理想的だと考えています。

食物繊維は、摂取が途切れがちなタイミングで補うのがコツです。特に朝食など、なかなか十分に野菜がとりにくい方は、冒頭でご紹介したスムージーなどを用いて、意識して食物繊維を摂ることで腸内環境改善に繋がります。グア―豆食物繊維は水に溶かして手軽に摂取することができるので、忙しい方にも利用しやすいと思います」

──『腸活』がメンタル面に作用することはあるのですか?

内藤裕二教授/腸と脳の関係は腸-脳相関と呼ばれ、近年注目を集めています。ストレスなどにより自律神経のバランスが乱れると、排便のコントロールがうまくいかない原因になるほか、腸内細菌叢が乱れる原因ともなります。一方で腸内細菌の作る一部の代謝産物が私たちのメンタルの調節に有用とする報告もあり、腸と脳には密接な関係があることが示唆されています。

グア―豆食物繊維は臨床試験で『目覚めのすっきり感』や『起床時の疲労感』、『仕事や勉強に対するやる気』を改善したとする研究報告があり、腸内環境の改善との関連に注目しています。

…つづく:後編では、より深く『腸活』について解説してもらった。次回の更新をお待ちいただきたい。

京都府立医科大学、内藤裕二先生。専門は『腸内微生物学』『抗加齢医学』『消化器病学』。

内藤裕二/京都府立医科大学 大学院医学研究科 生体免疫栄養学講座 教授
農林水産省農林水産技術会議委員
2025大阪・関西万博大阪パビリオンアドバイザー

著書:『消化管(おなか)は泣いています』(ダイヤモンド社)、『すべての臨床医が知っておきたい腸内細菌叢〜基本知識から疾患研究、治療まで』(羊土社)、『酪酸菌を増やせば健康・長寿になれる』(あさ出版)、『すごい腸とざんねんな脳』(統合法令出版)など多数

メディア出演:ヒューマニエンス、あさイチ、クローズアップ現代(NHK)、世界一受けたい授業(日テレ)など

文/深澤紳一(ふかさわ しんいち):PCゲーム雑誌から文芸誌、サブカルチャー誌まで幅広い寄稿歴をもつライター。レーシングスクールインストラクターなども務めつつ、飼犬のために日々働く愛犬家。
写真/太陽化学株式会社、Adobe Stock(アイキャッチ画像:photka@Adobe Stock)

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深澤 紳一
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