「新横浜着 全国 ラーメン紀行」第1弾
新横浜ラーメン博物館が開館して2年後、喜多方「大安食堂」が卒業する事となりました。この時、「レギュラー店以外に期間限定店を設けて、より活着なサイクルで多くのお店を紹介出来ないか」との思いから始まったのが、「新横浜着 全国 ラーメン紀行」プロジェクトです。切り口は「ご当地」はもちろん、個性、話題性なども加味して、日本全国の多彩なラーメン文化を柔軟に紹介して行く企画でした。
その記念すべき第1弾としてご出店いただいたのが「爐」さんでした。
当時、既にレギュラー店に札幌「すみれ」さんがあったにもかかわらず、敢えて同じ札幌の「爐」さんを誘致したのは、同じ札幌でも幅広いバリエーションがあるのを紹介したかった為でした。それほど独特で紹介したい味わいだったのです。
今振り返ると、昨今札幌でひそかなブームとなっている「札幌ブラック」の草分け的お店は「爐」さんだったのです。
丼一面を覆う“まっ黒なスープ”の秘密
はじめて見た人は「イカ墨?」と思う方も多くいらっしゃいますが、イカ墨は全く使用しておりません。
爐さんには、らーめんと、スペシャルらーめんが存在します。両ラーメンとも特製の焦がしラードが入るのですが、前者は野菜の旨味を凝縮したもの、そしてスペシャルには野菜+魚介類の旨味がたっぷり含まれております。
この特製焦がしラードは、自家製ラード(市販の精製ラードではこの味が出ないとのこと)に野菜やツブ貝、ホタテ貝、あさり、イカ等をいれ、強火で焼きます。強火で焼く理由は、せっかくの濃厚スープを野菜や魚介類などの具の水分によって薄まってしまうのを防ぐためです。
こうして培われてきた技術こそ「名人の味」の所以なのです。
本店では約7割の人がこのスペシャルらーめんを注文するというほど、爐にとってスペシャルらーめんは看板メニューなのです。