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「北国の郷愁と手作り感」ラーメンの基本コンセプト

ラーメンの基本コンセプトは「いつかどこかで食べた懐かしさ。朴訥とした北国の郷愁と手作り感」でした。

ラーメンを創作するにあたり、最初に着手したのは麺。ヒントを得たのは日常的に親しまれてきた八戸の郷土料理「ひっつみ」。

八戸のラーメンは縮れた細麺が主流でしたが佐野さんは「無意識のうちに八戸市民が慣れ親しんでいる食感を表現するには太麺が良い」と考えました。手間はかかりますが1玉1玉手もみをすることによって「ひっつみ」特有のモチモチとした食感と舌触りを表現。小麦粉は岩手県二戸産の「南部小麦」と「ねばりごし」を使用し、小麦の旨味も生きた存在感のある麺に仕上がりました。

スープの決め手となる食材は宮内庁御用達の六戸産地鶏「シャモロック」。シャモとプリマスロックを掛け合わせたシャモロックは両親の良い部分だけを引き継いだ濃厚な味わいを持ちます。豚は青森十和田産の銘柄豚「ガーリックポーク」のゲンコツ、ロースを使用。隠し味に芳醇な甘みとまろやかさが出る小川原湖産のモクズガニをはじめ、焼き干し、干しイカ、干し貝柱等南部地方の食材を中心とした構成です。

宮内庁御用達の六戸産地鶏「シャモロック」
小川原湖産のモクズガニ・しじみ、干しイカ

タレはテーマである「懐かしさ・郷愁」を表現するうえで重要なポイントで、醤油の風味で懐かしさを演出しました。ベースとなる醤油は岩手県陸前高田産の2年もろみ熟成醤油を使用。もろみの風味を最大限に活かすため、火入れをしない生醤油を取り寄せ、自ら火入れを行いました。もうひとつのポイントは小川原湖産のしじみから抽出したエキス。貝自体の旨味がインパクトの強い醤油に丸みと深みが加わります。

岩手県陸前高田市「 八木澤商店」の2年もろみ熟成醤油

チャーシューには収穫量日本一のニンニクを餌として食べさせる十和田産「ガーリックポーク」を使用。食感の違いを楽しんでもらえるようモモ肉と肩ロースを1枚ずつ配置。メンマは麺の食感との一体感を考え、短冊状のものを使用。彩に緑鮮やかな小松菜とねぎを加えました。

八戸支那そば(2002年撮影)

約20年ぶりにラー博に復活

「八戸麺道大陸」は2003年に八戸で帰郷オープンし、2009年4月30日、惜しまれながら閉店しました。

現在、箭内さんは佐野実さんの命を受け、2014年2月より支那そばやの総料理長に就任。その2ヶ月後に佐野氏は逝去されました。

そのため、今回の「八戸麺道大陸」は閉店しているため幻のお店の復活となります。お店自体が復活するのが13年ぶり、ラー博に復活するのは約20年ぶりです。

あの銘店をもう一度・第9弾・「八戸麺道大陸」

出店期間:2022年12月16日(金)~2023年1月9日(月)
     ※2022年12月31日(土)~2023年1月1日(日)は休館日
出店場所:横浜市港北区新横浜2-14-21 
     新横浜ラーメン博物館地下1階
     ※第7弾「名人の味 爐」の場所
営業時間:新横浜ラーメン博物館の営業に準じる。

『新横浜ラーメン博物館』の情報

住所:横浜市港北区新横浜2-14-21
交通:JR東海道新幹線・JR横浜線の新横浜駅から徒歩5分、横浜市営地下鉄の新横浜駅8番出口から徒歩1分
営業時間:平日11時~21時、土日祝10時半~21時
休館日:年末年始(12月31日、1月1日)
入場料:当日入場券大人380円、小・中・高校生・シニア(60歳以上)100円、小学生未満は無料
※障害者手帳をお持ちの方と、同数の付き添いの方は無料
入場フリーパス「6ヶ月パス」500円、「年間パス」800円

※協力:新横浜ラーメン博物館
https://www.raumen.co.jp/

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おとなの週末Web編集部
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