料理研究家・リュウジの酒場深求記

リュウジの酒場探求記・おとなの週末編(9)鮮度抜群の「もつ」を陶板焼で味わう…そのギャップに惹かれた!昭和風情が残る本所の名店

新鮮なもつを陶板焼きで味わう

斬新な調理スタイルの「バズレシピ」や「至高のレシピ」で話題のリュウジさんは、お酒を飲みながら料理をするというYouTube動画が人気の料理研究家です。レシピの公開だけでなく、Twitter「リュウジの酒場探求記」では気に…

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斬新な調理スタイルの「バズレシピ」や「至高のレシピ」で話題のリュウジさんは、お酒を飲みながら料理をするというYouTube動画が人気の料理研究家です。レシピの公開だけでなく、Twitter「リュウジの酒場探求記」では気になる飲食店の紹介も。SNSなどの総フォロワー数が780万人以上という「料理のお兄さん」が、感性の赴くままに歩いて街で見つけた「自分史上最高にウマくて、楽しく飲める店」について本音で語ります。

第9回は東京・本所の「もつ焼き わかば」です。

パンチの効いた特製ダレで極上のもつざんまい

美味しい「もつ」を食べに行こうとなると、昭和風情が残る下町へ足が向かいます。

この日は、東京スカイツリーが近くにそびえ立つ、本所の「もつ焼き わかば」へ。わかば=若葉を象徴するかのような“緑提灯”が、住宅街の軒先に灯るのを目印に到着。もつは、串、刺、陶板焼、料理と豊富なラインアップに、テンションが上がります。

『もつ焼き わかば』

なかでも、初めて目にするもつの陶板焼が気になります。庶民的な酒場で、旅館の夕食に出てくるような陶板でもつを味わう―そのギャップに「面白いじゃん」と、ハツ(550円)、タン(550円)、ミノ(715円)を注文。

タン
ハツ
ミノ

早速出てきた3種は、とびっきり新鮮で、ロゼワインのような色合いの美しさ。惚れ惚れしながら、年季の入った陶板の上にのせて下から熱します。十分火が通ったら、塩や自家製ニンニクダレ、ごま油を全てミックスした特製ダレにくぐらせていただきます。極上のモツにパンチの効いたタレが絡んで、めちゃくちゃウマい!早くもおススメナンバーワン!

新鮮なもつを陶板焼で味わう

店は、まもなく創業40年。長きにわたり、真摯(しんし)に仕事と向き合っているからこそ、信頼を得て厳選素材を仕入れることができるのでしょう。

陶板焼以外に、もちろん、もつ焼きも美味。レバー

もつだけじゃない!? 隠れた絶品メニューとは「お新香」

串は「鳥タタキ(つくね)」(165円)が、かなりユニーク。ハンバーグを作るように、粗目のミンチをよ~く捏ねており、丁寧な仕込みがうかがえます。塩をつけて頬張ると、プリっと練り物のような食感がたまりません。酒のアテにもってこいの一串です。

鳥タタキ(つくね)

酒は、オリジナルの緑茶割「わかば割り」(407円)をはじめ、もつに合うホッピー、酎ハイ、焼酎など飲み飽きません。

刺で印象的なのは、「シロ刺し」(495円)。絶妙な火加減で湯引きされたシロは、ふわっととろけるような口当たりで、甘味さえ感じられます。串も刺も、熟練の技が冴えわたります。

シロ刺し

一品料理も負けていません。「タンおろし」(495円)は、豚タンの脂身を酢醤油と大根おろしがさっぱりと流してくれて、ほっとする味わい。「軟骨あられ」(495円)もあっさり塩味で、コリコリした歯ごたえに箸も杯も止まりません。

タンおろし

名物は、もつだけにあらず。「お新香」(385円~)が、口直しを超えたハイレベルな美味しさ。ほのかな糠(ぬか)の香りとうま味の効いた大根、ニンジン、キュウリ、ナスは、絶品中の絶品。ふだん、お新香はちょっとつつく程度で余らせてしまうけれど、ここのはあっという間に完食。地味ながら、圧倒的な存在感がありました。

お新香

たらふく食べて飲んで、この日は1人5000円ほど。懐を気にせずリーズナブルに酔えるのは、やはり下町ならでは。今後も、この辺りに足しげく通うことでしょう。

家族経営で守る伝統の味

店は、家族二代にわたって切り盛りしているようです。あうんの呼吸で小気味よく働く姿は、和やかな空気を醸し出し、客をみな笑顔にしてくれます。

もつ焼き以外に洋風メニューも
ピザ風の料理も
マカロニサラダ

伝統の味を守り続ける店主の心意気、誰しも心がほどける居心地の良さ…。酔いしれるのは、酒ばかりではない。上機嫌で店を後にしました。

『もつ焼き わかば』

『もつ焼き わかば』の店舗情報
〔住所〕東京都墨田区本所4-19-9
〔電話〕03-3623-1459
〔営業時間〕17時~23時(料理LO21時半)
〔休日〕日曜・祝日
〔交通〕地下鉄都営浅草線本所吾妻橋駅A1出口から徒歩7分
※新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前にお店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。

リュウジ
料理研究家。1986年、千葉市生まれ。Twitter やYouTubeで日々更新する料理動画やレシピが、「簡単に爆速で美味しく作れる」と大人気。YouTube チャンネル「料理研究家リュウジのバズレシピ」の登録者数は353万人で、SNSを含めた総フォロワー数は780万人を超える。Twitter「リュウジの酒場探求記」2022年、定番料理100品のレシピを集めた『リュウジ式至高のレシピ』(ライツ社)で「第9回料理レシピ本大賞」を受賞。2020年、『ひと口で人間をダメにするウマさ!リュウジ式悪魔のレシピ』(同社)に次ぐ2度目の栄誉に輝く。「料理のお兄さん」として自炊の楽しさを広めようと、多方面で活躍している。

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