マツダのロータリーは新章に突入
RX-8は日米欧で販売し、累計生産台数は20万台弱。このうち日本で売れたのは約5万台だ。これを多いとみるか少ないとみるかは意見が分かれるところだが、筆者としては立派な数字だと思う。しかし、2004年に約6万台だったものが、2010年以降は3000台レベルにまで落ち込んでいたため、欧州では2010年、日米では2012年に生産終了(販売は2013年まで継続)となってしまった。
そんなRX-8もファイナルモデルの「スピリットR」は1000台限定のところ、速攻で売り切れたため1000台追加して人気となったのは、生産終了モデルのあるあるだ。
RX-8はサイドポートロータリーのRENESISを搭載した最初で最後のモデルで、今のところマツダの最後のロータリースポーツだ。
ただマツダのロータリーは新章に突入し、2024年にロータリーエンジンを発電専用とするMX-30 R-EVを登場させたし、RX-8で開発が進められた水素ロータリー、さらには新世代のロータリースポーツの登場が期待されている。
【マツダRX-8主要諸元】
全長4435×全幅1770×全高1340mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1310kg
エンジン:654cc×2(1308)cc、直列2ローター
最高出力:250ps/8500rpm
最大トルク:22.0kgm/5500rpm
価格:275万円(6MT)
【豆知識】
NSUはホンダに抜かれるまで世界一の販売台数を誇るドイツ二輪メーカーで、1957年に小型車のプリンツで自動車の開発・製造を開始。1964年に世界初のロータリーエンジン搭載車となるヴァンケルスパイダーを発売。その後は1967年にロータリーセダンのRo80をデビューさせ、その技術が高く評価され1968年にはドイツ車として初の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。しかしロータリーエンジンの不具合などが財政を圧迫し、1969年にVW傘下となり、アウディの前身であるアウトウニオンに吸収された。
市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。
写真/MAZDA、NSU、MERCEDES-BENZ、ベストカー