遊歩道になった東横線の廃線跡
階段をのぼりきると線路跡なのだが、とはいってもレールや砂利は跡形もなく、きれいにアスファルトで舗装された遊歩道になっていた。後ろを振り返ると、桜木町駅西口広場で見た高架橋遺構に向かって伸びる線路跡があるが、ここは未整備のため立ち入ることができない。横浜方向に向かって進むと、ところどころに「架線柱(電車に電気を送る架線を吊っていた柱)」が遺されている。これは東横線が廃線になる前から、隣を走る道路(国道16号線)を照らす街灯を、“架線柱”に抱き合わせて取り付けていたためで、今もこのような形で残されている。
歩き続けると、綺麗なアーチ橋が現れる。これは当時、東横線で使用されていたものではなく、新たに遊歩道整備の際に設置されたものだ。このアーチ橋で眼下を通る紅葉坂交差点を越えると、遊歩道は終わってしまう。高架橋の上を歩けるのは、200mにも満たなかった。となりの高架を走るJR根岸線(京浜東北・根岸線)には、時折り貨物列車が走っていて、鉄道好きにとっては良き“展望スポット”である。この先、横浜駅方向へ進むには、階段を下りて歩道を歩くことになるが、ここには階段しかなく、スロープ利用者には優しくないなと感じた。

