横浜駅付近の痕跡
地上線時代の痕跡は、当時の駅舎や高架橋そのものが解体されているため、期待できないと思っていた。新しく東横線の跡地に建てられた駅ビル「シァル横浜(JR横浜タワー)」を散策していると、フロア案内の2階部分に「鶴屋町連絡デッキ(はまレールウォーク)」なる文字を発見。さっそく行ってみると、レールを模したオブジェが床に埋め込まれていた。東横フラワー緑道の一部で見られたものと同じような造り込みだった。
その先には、「帷子川(かたびらがわ)分水路」が流れており、東横線時代にも橋梁(内海川橋梁)が架かっていたことを思い出し、その痕跡を探してみた。ありました、東横線時代の橋梁が当時のままに「鶴屋町連絡デッキ(はまレールウォーク)」として再利用されていた。ちょっと感動。
ここから先は、東横フラワー緑道へと至るわけだが、その間には新築のビルが林立しており、東横線の痕跡を探すことは不可能と判断し、ここで調査は終了としたのであった。
文・写真/工藤直通
くどう・なおみち。日本地方新聞協会特派写真記者。1970年、東京都生まれ。高校在学中から出版業に携わり、以降、乗り物に関連した取材を重ねる。交通史、鉄道技術、歴史的建造物に造詣が深い。元・日本鉄道電気技術協会技術主幹、芝浦工業大学公開講座外部講師、日本写真家協会正会員、鉄道友の会会員。