屋根付きの歩道
東横線の桜木町駅から高島町駅の間は、開業当時から高架線上を走っていた。その高架線と並走するように国道16号線が通っており、その歩道上にも東横線の線路があった。この線路下に設けられた歩道は、さながらアーケードのような屋根付きの歩道となり、現在もその姿を保っている。
歩道の壁面には、昭和の終わりごろ、壁一面に落書きとは思えないほどの“上手な絵”がたくさん描かれていたこともあった。今ではその面影は跡形もない。この高架下歩道は今も現役で、桜木町駅の西口広場から旧高島町駅の少し手前までの約800mを結んでいる。
なぜ、このような歩道が誕生したのかというと、そもそも旧東横線の高島町駅~桜木町駅間には、省線(現JR)が先に複線で開通していたこともあり、東急が海側に新たに用地を確保して省線の線路を移設し、省線の線路1線を譲り受ける形で1932(昭和7年)に単線として開通させた。その後、1956(昭和31)年に東横線は複線化され、この時に下り線を”国道16号線の歩道上”へ張り出すように建設し、これにより「高架下歩道」が誕生するに至った。
