×

気になるキーワードを入力してください

SNSで最新情報をチェック

屋根付きの歩道

東横線の桜木町駅から高島町駅の間は、開業当時から高架線上を走っていた。その高架線と並走するように国道16号線が通っており、その歩道上にも東横線の線路があった。この線路下に設けられた歩道は、さながらアーケードのような屋根付きの歩道となり、現在もその姿を保っている。

歩道の壁面には、昭和の終わりごろ、壁一面に落書きとは思えないほどの“上手な絵”がたくさん描かれていたこともあった。今ではその面影は跡形もない。この高架下歩道は今も現役で、桜木町駅の西口広場から旧高島町駅の少し手前までの約800mを結んでいる。

なぜ、このような歩道が誕生したのかというと、そもそも旧東横線の高島町駅~桜木町駅間には、省線(現JR)が先に複線で開通していたこともあり、東急が海側に新たに用地を確保して省線の線路を移設し、省線の線路1線を譲り受ける形で1932(昭和7年)に単線として開通させた。その後、1956(昭和31)年に東横線は複線化され、この時に下り線を”国道16号線の歩道上”へ張り出すように建設し、これにより「高架下歩道」が誕生するに至った。

東横線の複線化により誕生した「高架下歩道」は、今も当時と変わらぬ姿をとどめる=2025年5月13日、横浜市中区桜木町
廃線当時の写真と見比べると、街並みは大きく変わっていた=2025年5月13日、横浜市中区桜木町
桜木町駅~高島町駅間をゆく、在りし日の東急東横線(8000系電車)=2004年1月29日、横浜市中区桜木町
東横線の高島町駅~桜木町駅間は当初、省線を1線譲り受けて開通したため、写真に見るように土木構造物が省線(現JR)と一体になっているのは、このためである。歩道に張り出すように造られている線増部分は、のちに複線化した時に増設したものである=2025年5月13日、横浜市中区桜木町
次のページ
古くは造船所だった“みなとみらい”
icon-next-galary
icon-prev 1 2 3 4 5 6 7 8 9icon-next
関連記事
あなたにおすすめ

この記事のライター

工藤直通
工藤直通

工藤直通

おとなの自動車保険

最新刊

2025年6月13日に発売される『おとなの週末』7月号の表紙を飾るのは、B’zの松本孝弘さんです。自…