「サバでコロッケ」で東奔西走
その巻き網漁法でいまも、漁獲されているのが「サバ」。通年、比較的マサバのまとまった水揚げがあった。そもそもサバは秋祭りで必ず鯖寿司をふるまうなど、なじみのある存在でもある。
「『サバでコロッケ』、いけるんちゃうか!」。まさかの「なめろう」からの閃きを受けて、サバが水揚げされる「比伊崎漁業協同組合」へ直行した荊木さん。
さっそく試作にとりかかり「しょうが味」「カレー味」「梅味」が完成。大阪府内でのイベントで販売を行ったところ「サバのコロッケなんて、珍しい!」と好評を博したものの、「結果としては、うまくいきませんでしたわ」と荊木さん。「素人が作ったもんをあげても割れたり、火が通ってなかったり。改良しないと無理があったんですわ」
しかし、そこであきらめないのが、行動派のミスター角刈り。鍋のイベントで出合った「日本コロッケ協会」の関係者のもとへ直行。紹介された「コロッケ王子」こと、北海道・サンマルコ食品・代表取締役社長の藤井幸大さんのもとへ、またまた直行。
荊木さんの熱量におされて、わざわざ訪れた藤井さんがさっそく試作品を提案。「塩麹」「味噌だれ」「南蛮漬け」の3種類を、試食した結果、南蛮漬けで進めることが決定。
■以下、荊木さんの手帳より
6月17日 北海道のサンマルコ食品工場で試作スタート。
あわせて9月21日から開催される
全国コロッケフェスティバル2019in龍ケ崎へ応募
……商品の完成がいつなのか決まってもいない中、いきなり「応募」である。
「やるなら賞とらなあかんのです。日高町っていってもわからへんやろ。商品が売れへんやんか」。日高町をメジャーにするためには「賞」という冠が必要。意志の男・ミスター角刈りは、一度決めたらミッションは確実に遂行。かくして予定どおり全国コロッケフェスティバル2019in龍ケ崎に無事完成した「さばコロッケ」を携えて出場。
さばコロッケはそもそも、たんなる「サバのミンチ」入りのコロッケではない。地元水揚げのサバを3枚におろして梅酢にひたしたのち、叩いてねっとりしたミンチにする。そしてなめらかになるまでマッシュした北海道産のジャガイモでくるんでカラリと揚げる。
手がこんでいるのである。
フェスティバル出場の成果は荊木さんも予想だにせぬものだった、
さばコロッケのブースは大行列。4時間で1200個を売り上げ、またたくまに完売!
「しっかりサバ感があっておいしい」「サバの旨みがジャガイモとマッチしている」「魚が嫌いだったけどこれなら食べられる」と大好評!
「『サバが好きなので』と、さばコロッケ狙いで来てくれたお客さんも多かったね」と世間の「サバ好き」の多さも実感した荊木さん。
そのうえ、見事「龍ケ崎市長賞」を獲得!
栄誉を獲得したさばコロッケ。凱旋帰町後は、町内各地の飲食店で提供され、学校給食でも採用されるなど一気に町の名物に。県外のイベントでも大好評! 庶民派のサバが、セレブなクエ並みにスターダムにのし上がっていったのである。
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¥4,380(税込)
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¥5,400(税込)
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¥5,100(税込)
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¥5,280(税込)