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麻布中学に逆転合格したA君

御三家をいわれる都内の難関私立「麻布中学」に逆転合格を果たしたA君の場合も、入試直前の約1カ月、暗記分野で入試に出そうな箇所を重点的に覚えたのが勝因でした。また、前日や、当日の試験直前に見直した箇所が出題されたという幸運にも恵まれました。算数とは異なり、このような直前対策が功を奏するのが暗記科目です。ちなみにA君の算数の点数は合格者平均を大きく下回っていたそうです。

勉強に限らず、楽しいことや出来ることから取り組む傾向にあるのが人の心理です。特にあまり勉強好きでない生徒さんの場合、苦手な分野の勉強は後回しになります。受験生はやるべきことは沢山ありますので、放っておくと、苦手分野の対策が不十分なまま受験に突入することになります。私自身、大学受験ではそのような経験をしました。したがって、暗記分野に不安のある生徒さんには、親御さんが誘導して弱点克服に取り組ませることが求められます。

受験でよく使われる暗記法、その年の素因数分解は常識

暗記科目の中で、一般的な頻出分野や、学校により出題率の高い分野については、重点的に勉強しておく必要があります。

今年度に関することがら(今年の重大ニュースなど)についても押さえておく必要があります。算数では、その年の素因数分解を押さえておくのも常識です。

2024=2×2×2×11×23

暗記の仕方については塾などでも時折教わると思いますが、暗記が苦手な方は暗記の仕方に慣れていないことが多いようです。受験で使われる暗記法で、効果的だと思うものから並べてみます。なお、それぞれの方法は、単独ではなく組み合わせて行うこともしばしばあります。

受験でよく使われる暗記法

(1)語呂合わせ
中学受験のとき、歴史の年代が語呂合わせを使うと簡単に覚えられることを友達から教わり、衝撃的でした。語呂合わせの威力は強力で、火成岩の種類や、消化液と消化酵素など、覚えにくいものでも語呂合わせを使うと簡単に覚えられます。今は便利な時代となり、「覚えにくいな~」と思えば、ネットで調べれば、だいたい語呂合わせによる覚え方が載っています。もちろん自作でも構いません。おおいに語呂合わせを活用しましょう。

(2)視覚イメージで覚える
視覚的なイメージに結びつけて覚える方法です。視覚情報は頭に残りやすく、大量の情報を含むことができると言われます。たとえば、「ペリーによる開港」を、「ペリカンが口を開けている(開口)」イメージと結びつけると、簡単に覚えることが出来ます。このように、しばしば語呂合わせ(ペリー → ペリカン)と組み合わせて使われます。また、日米修好通商条約によって開港が決まった5港は、箱館(函館)、新潟、神奈川(横浜)、兵庫(神戸)、長崎ですが、これも日本地図をイメージし、上から順に覚えると覚えやすくなります。

(3)ストーリーで覚える
たとえば、天平文化は遠くペルシャの影響も受けた国際色豊かな文化ですが、菅原道真の進言で遣唐使が廃止されたことにより、日本独自の国風文化が発展を遂げるようになりました。このように、用語の羅列ではなく、ストーリーで頭に入れることで、出来事の順番や、時代や文化の特徴などが容易に覚えられるようになります。なお、ストーリーは、語呂合わせやイメージ記憶と組み合わせて、自分で作った架空のものでも結構です。たとえば円周率を10万ケタ暗誦したと言われる原口證(あきら)氏は、数字の羅列を、松前藩の武士が旅に出るストーリーとして覚えたそうです。

(4)数字と結びつける
前述の開港5港は、「5」という数字と結びつけることで覚えやすくなります。「5」が引き金(トリガー)となって、記憶を引き出しやすくなるからです。江戸時代の重要な将軍も「5人」(初代・家康、3代・家光、5代・綱吉、8代・吉宗、15代・慶喜)とまとめると、すぐに覚えられます。またこの方法は、記憶の抜け落ちを防ぐ効果もあります。たとえば県庁所在地で都道府県名と名前が違うものは19ヶ所ですが、この「19」という数字を頭に入れておくと、抜け落ちなく覚えることが出来ます。

語呂合わせは有効
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暗記の王道は「繰り返す」...
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圓岡太治
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