朝香宮ご夫妻のアール・デコとの出会い
アール・デコとは、1910年代から1930年代にかけて欧米を中心に世界中で流行した、直線や円などの幾何学的な模様やパターンで構成された装飾様式です。
「朝香宮家は 久邇宮朝彦(くにのみやあさひこ)親王の第8王子鳩彦(やすひこ)王が1906年(明治39年)に創立された宮家です。鳩彦王は、1910年(明治43年)5月に明治天皇第8皇女允子(のぶこ)内親王とご結婚され、大正10年(1921年)に白金台の御料地1万坪を下賜されました」(東京都庭園美術館ホームページ「朝香宮家について」より)。
鳩彦王は陸軍大学校勤務中に軍事研究のためフランスに留学されていましたが、1923年に交通事故に遭われ、看病のために渡欧された妃殿下と共に長期滞在されていました。
その頃は、アール・デコの全盛期で、ご夫妻は1925年にパリで行われた現代装飾美術・産業美術国際博覧会(通称アール・デコ博覧会)を見学されたそうです。
朝香宮ご夫妻は、アール・デコの様式美に魅せられ、自邸の建設をする際、フランスの画家・室内装飾家・デザイナーとして活躍していたアンリ・ラパン(1873〜1939年)らフランス人に協力を依頼するなど、積極的に取り組まれたそうです。