この秋、渋谷に鯖レジェンドが!! 2025年9月14日(日)にオープンする『本家しぶそば 渋谷道玄坂店』の看板メニューとして世界初の「さばコロッケそば」が登場! 「鯖サミットin美浜2024」でも大好評だった、和歌山県日高町の「さばコロッケ」がまさかの立ちそば、いやまさかの渋谷デビュー。そのヒストリーをご紹介します!
クエの街・日高町
さばコロッケのふるさとは、和歌山県の中西部に位置する和歌山県日高町。海と山に囲まれた自然豊かな町だ。魚の宝庫といわれる紀伊水道に面し、黒潮と瀬戸内海海域が交わる日高沖は、県下有数の好漁場。年間を通して絶品の魚が水揚げされている。なかでも、有名なのはサバ……ではなくて「クエ」である。
冬になると、町内の飲食店や旅館などでは、脂のりがバツグンになったクエを使った「天然クエ鍋」が提供され、多くの観光客でにぎわう。
日高町公式ホームページにもこうある。
「日高町では、魚の王様はクエと昔から相場は決まっています。造りでよし、鍋によし、揚げてよし。名物『クエ料理』はクエ祭で知られる本場、日高町で食べてこそ値打ちがあるというもの」
絶賛「クエ推し」だ。
「2018年には『ニッポン全国鍋グランプリ』で最高賞『金の鍋賞』 を受賞しました」と胸を張るのは日高町商工会事務局長の荊木宣雄さん。トレードマークは「見事な角刈り」だ。
ミスター角刈りは、愛する日高町を盛り上げるべく知名度向上、観光客数アップ、交流人口の増加のために東奔西走する「熱血行動派」。
日高町の知名度を上げるべく「ニッポン全国鍋グランプリ」への応募を推進した「仕掛け人」は荊木さんである。受賞が追い風になって、クエを日高町における観光の目玉になったものの、仕掛け人は悩んでいた。
「クエは高いんですわ」
なんといっても、クエは高級魚。いかんせん、イベントのPRや商品加工に、おいそれと使える代物ではないのである。
「もうちょっとカジュアルなものができないか、できへんかなあ。『コロッケ』とか、ええんちゃうか」と思い至った荊木さん。けれど「何を具材にするか」が、思いつかなかった。
そんな荊木さんにアイデアが降臨したのは「千葉県で」だった。
「アジのなめろうを焼いた『さんが焼き』を食べていたときに、これ、フライにしたらおいしいんちゃうかと思ったんですわ」。
はっ。
アジ→サバ
荊木さんの頭の中でピカッと青魚の稲妻が轟いた。じつは日高町は、「日本の巻き網漁法発祥の地」といわれている。大正8年、日高町出身の大出弥右衛門がカナダから技術を持ち込み、漁師たちが千葉・銚子沖や瀬戸内海まで出船していたことから全国に広まったとされているのだ。
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