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「横浜で勝負したい」という店主だったが……

それでも私は、めげずに何度も「純連(すみれ)」に通い続けました。ある時、店に行ったとき、伸宜さんは、こう話しました。「岩岡さん、何度来てもダメなものはダメなんだよ」と。そうは言われるものの、「私の名前を覚えてくれたのですね!」と、本人としては一歩前進と感じました。

職人の技が要求される濃厚スープ作り

その後も、伸宜さんが「競馬が好き」と聞けば、待ち伏せをして一緒に競馬に行ったり、食事に行ったりの間柄まで進みました。そして、伸宜さんからも、「なんでラーメン博物館をやろうと思ったのか――?」と、私への関心なのか、質問が出てくるようになっていったのです。

そんな関係を2年ほど続けていたある日、伸宜さんから連絡があったのです。なんと、「横浜で勝負してみたい。出店する方向で考える」――というれしい知らせがきたのです。

さっそく札幌に向かった私でしたが、「純連(すみれ)」に着くと、そこには浮かない表情の伸宜さんがいたのです。

いわく、「岩岡さん、この前の電話の話はなかったことにしてくれ。家族を説得できなかった。申し訳ない……」と、決まりかけた出店が白紙に戻ったのです。ラーメン博物館オープンまで7カ月を切ったタイミングでした。

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出店OKの返事がなくても、店を作る決断を...
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おとなの週末Web編集部
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